2019年09月27日 1593号

【脱原発テントひろば9年目行動/福島は終わっていない 原発はクリーンではない】

 福島原発事故から半年後、東京・霞が関の経済産業省敷地にテントが建った。「経産省前テントひろば」は、主権者市民が抵抗権を行使するエンキャンプメント(宿営=公共空間を占拠し泊り込む)型の表現活動だ。16年8月にテントは強制撤去され、今年3、4月には代表の淵上太郎さん、正清太一さんを相次いで喪(うしな)ったが、経産省前に連日座り込んで「原発なくせ」と訴え続けている。

 テントひろば9年目を迎えた9月11日には、「福島は終わっていない」「原発はクリーンではない」をテーマに院内講演会と経産省前抗議行動を開催した。

 参院議員会館で講演したのは、小出裕章・元京大原子炉実験所助教。「事故はいまだ継続中。溶け落ちた炉心がどこにどんな状態であるかも分からない。ロボットは被曝に弱い。ICチップに放射線が飛び込むと命令が全部書き換わる。東京電力が送り込んだロボットはほとんど討ち死にして戻ってきた。福島の敷地では、この瞬間も5〜6千人の労働者が放射能と闘っている」と述べ、改定出入国管理法の下、多くの外国人労働者が被曝労働に駆り出される危険性に警鐘を鳴らす。

 原発推進派の「地球温暖化の原因は二酸化炭素」との主張に対しては、「真の原因は『先進国』と呼ばれる一部の人類が産業革命以降、エネルギーの膨大な浪費を始めたこと自体にある。何よりエネルギー浪費の抑制にこそ向かうべきだ」と反論し、「愚かな政府が愚かなことをやり続けている。絶対に彼らに責任をとらせたい」と力を込めた。

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