2000年12月22日発行670号

【高裁不当判決に怒り フィリピン人慰安婦訴訟】

 フィリピン人元慰安婦らが日本政府を相手に謝罪と補償を求めていた裁判で東京高裁は十二月六日、一審の不当判決を支持し、控訴を棄却した。判決は被害事実の認定を全く行わず、原告の損害賠償請求権の根拠をことごとく否定した。

 この日のために来日した原告は六人。夜の報告集会では、「戦争が人生を変えた。家族を失い独りぼっちになった。判決は私の受けた被害を拒絶した。正義を求め闘い続け、

死ぬことになっても構わない」(トマサ・サリノグさん)など、判決への怒りをあらわにした。

 菅沼友子弁護士は「この判決は『(解決は)政府がやるべきことで、裁判所に持って来られても困る』という、原告への配慮のない冷酷なものだ」と批判。「裁判だけでなく立法化にも力を注ぎたい」と、補償立法制定への決意を語った。

 原告らは上告の予定。

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