2001年05月18日発行689号

ロゴ:沖縄戦後史のメロディ 海勢頭 豊
第5回『琉球賛歌』〜「いつまでも愛を」太陽に祈る

『琉球賛歌』

 1975年の沖縄国際海洋博覧会に向けて、沖縄中が色めき立っている頃に作った歌です。大海に上がる太陽に向かって、ニライカナイを夢見て輝く島々を讃え「どうぞ、いつまでも愛してください」と祈る心を歌ったものです。

 沖縄の復帰記念として、沖縄県では植樹祭(72年)、若夏国体(73年)、海洋博の三大事業が開催されました。「海−その望ましい未来」をテーマした海洋博に対する期待は当初は大きいものがありました。しかし、開催が近づくにつれ、本土企業による土地買い占め、物価高、環境破壊などの問題がクローズアップされるようになり、さらに関連事業として膨大な公共事業が投入されたことによって、海岸線や自然環境の破壊による海洋汚染問題もひきおこされました。

大海に上がる太陽
写真:大海に上がる太陽

 小さな島々で成り立っている沖縄県ですが、島の人々は、大きな太平洋を「琉球の湖」と考え、水平線の彼方にニライカナイという理想郷があると夢見て暮らしてきました。太陽が昇っては沈んでいく自然の営みの中で育ってきた島の人々の生き方でしたが、いつのまにか日米両国に飼いならされて、琉球本来の心と自然の美を失っていく現実。これは私の悲しい祈りの歌です。

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