2001年07月27日発行699号 ロゴ:なんでも診察室

【夏に気になる足のゆび】

 マニキュアを塗った趾(し‐足のゆび)が目に入る季節です。せっかくマニキュアまで塗り、歩きにくそうなサンダルをはいておられるのだから、じっくり見せていただくべきかもしれません。でも、私が注目するのは夏のサンダルの時期にこそ、女性の趾がどんな過酷な状態におかれているかわかるからです。

 実は、私は数年前から東京厚生年金病院リハビリテーション科の田中尚喜氏らに靴について教えてもらい、靴と足底の間に敷く「足底板」の効果を日本靴学会に発表したりしています。そこで、今まで勉強した、足に優しい靴の条件を列挙してみます。1.かかかとを包むところは頑丈で、押さえてもへこまない 2.靴底は土踏まずの部分で曲がらず、趾の付け根で曲がる 3.甲全体を足首まで包み、紐などでしっかり締められる 4.靴先はゆったりし、趾が自由に動く、などです。また、買う前に必ず歩き回り違和感があればやめましょう。ハイヒールはもとより、パンプスもローファーもこれらの優しい靴の条件に入りません。その他の種類でも、ずいぶん手抜きの靴が氾濫していますので先述の点を十分点検して買ってください。

 先日乗り合わせた電車で、向かいの席の女性はきれいに趾の爪の手入れをして、真っ赤なマニキュアを塗っていますが、ハイヒールのサンダルで趾をギュッと挟まれ、痛々しい外反拇趾になっていました。その足から四十代ぐらいかなと思って視線を上げてゆくと、顔はまだ二十代後半?です。靴が悪ければ、若くても外反拇趾などの変形や、タコや魚の目が生じます。こうなるとかっこいいはずのサンダルも、履くこと自体が苦痛で、お世辞にもきれいな足といいがたくなります。それでもハイヒールやパンプスを履きたい方(多数おられますが)は、デート・パーティーや仕事などでどうしてもの時間だけにされてはいかかがでしょうか。それでないと、きれいな足は保てません。

 すでに、そうなっている方はあきらめなさいというわけではありません。まず、ここに書いた条件を満たす靴を探して履いてください。さらに、足に合わせた足底板を使いますと、よりいっそう快適になります。

 靴や足底板について詳しく知りたい方は、パラマウントワーカーズコープ(電話 0120‐85‐1192)や共立事業センター(電話 06‐6939‐7821)に連絡するか、七月発売のNPOJIP(医薬ビジランスセンター)発行の雑誌『薬のチェックは命のチェック』NO3に載せてもらっている文章を見てください。

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