2001年08月17日発行702号
ロゴ:沖縄戦後史のメロディ 海勢頭 豊

第18回『島九年母』〜「分かるかね」この悔しさ

『島九年母』

 九年母(くねんぼ)は、東南アジア原産のみかんの一種です。沖縄ではシークワーサーを含め柑橘類みかん属の総称として、類似する果実をクニンブとかクニブと呼んできました。そして、沖縄にも原生する九年母の木は植えて9年にならないと、花が咲かず実をつけないと言われてきました。実った沖縄のみかんは太陽の光が違うのか、本土のものより味が濃くなります。

 米兵による婦女暴行事件・事故が相次ぐ中、2001年1月に沖縄の怒りや悔しさを本土の人々に伝えるためにこの歌を作りました。

 誰が沖縄のことを勝手に決めているのか?復帰前は私たちは堂々と米軍に対してものを言ってきました。しかし、復帰後に表に出てきた日本政府はアメリカに対しては勇気がなくペコペコし、沖縄に対しては言い逃れを繰り返し、民主主義が機能しない状況がずっと続いているのです。沖縄問題の本質はこの民主主義にあります。

写真:海勢頭 豊さん

 保守革新を問わず、政治に関わる人々は自らの運動を美化して、同情の言葉を使い分けてきました。分かっているつもりが一番やっかいで、結局現実を見失って、21世紀を迎えました。「分かったつもり」が「分かった」となるように、私たちは「分かるかね

 あんた」と繰り返し問題を投げ続けなければならないのです。

ホームページに戻る
Copyright FLAG of UNITY