2001年08月24日発行702号合併号

【劉連仁裁判 地裁判決は遺言を一歩実現 新たな被害生む政府の控訴】

 強制連行の国家責任を明らかにした劉連仁裁判の7・12東京地裁判決。政府は七月二十三日、この画期的な判決の波及を恐れ不当にも控訴した。

劉煥新さん
写真:劉煥新さん

 昨年九月に他界した劉さんの遺志を継いだ長男の劉煥新さんは、判決後も滞在期間を延ばして政府に控訴断念を迫った。七月十四〜十六日は北海道各地で報告集会を開き、以降は連日、首相官邸や法務省、厚生労働省などに要請行動を続けてきた。

アジアと連帯し勝訴へ

 中国人戦争被害者の要求を支える会は七月二十七日、緊急報告集会を開いた。劉さんは「歴史の事実を認め賠償する勇気を宣言した判決で父の遺言を一歩実現することができ、満足している。しかし、政府の控訴は生存者や遺族に新たな精神的被害を与えるものだ。教科書問題や靖国参拝も根っこは同じ。軍国主義復活の土壌を感じる」と語った。

 弁護団の森田太三事務局長は「日中友好協会や強制連行裁判全国ネットワークなどの協力を得て控訴断念を要請してきた。一審の事実認定や除斥期間の適用排除は控訴審でも覆ることはない。他の戦後補償裁判にとっても政府を追及していく有力な武器となる」と強調した。

 最後にもう一度マイクを握った劉さん。「中国国内でも関心が高く、戦争被害者の連合会が八月には発足する。アジア、特に韓国の人々と連携して引き続き闘っていく決意だ」と訴えた。

 国内外から孤立を深める日本政府に、アジアの人々と連帯し戦後補償実現を迫ろう。

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