2001年11月30日発行716号 ロゴ:なんでも診察室

【インフルエンザとワクチン】

 「この子にインフルエンザワクチンをしたいのですが?」と聞かれて、「あのワクチンは効かんから止めた方がいいよ」と答える会話が増えています。時には「だけど先生、お年寄りにも注射するようになったのですよ」と反論されます。

 そうなんです。高齢者が受けるインフルエンザワクチンの一部を公費負担とする予防接種法改正案が十月末に可決されました。マスコミは、インフルエンザで多くのお年寄りが亡くなったとか、小児のインフルエンザ脳症の怖さを報道してきました。脅かして金を出させる、これがこの業界の常套手段です。

 ところが、このワクチンたるや、二十年以上も毎年、学童中心に多いときで年間二千万人以上に接種して、なおかつ効果を証明できず、副作用のため一九九四年にいったん中止になっていた代物です。お年寄りに効果があるという科学的なデータはありません。とりわけ日本のワクチンが「効く」としたデータはまるきりいいかげんです。

 このワクチンの特徴は、第一に効果がないこと、第二に毎年注射しなければならないことです。ワクチン製造会社にとっては、うまくいけば毎年千から二千万人分ものワクチンが売れます。病院・診療所にしてみれば、効果がないので患者が減ることもなく、注射の「技術料」もとれます。この両者にとっては願ったりかなったりです。

 私たち医療問題研究会は、以前からこのワクチンに反対してきました。九九年に開催した高橋晄正氏の講演会では、その効果のなさが証明されました。その後、大阪小児科学会のシンポジウムやさまざまな機会を通じ、また今年六月にはワクチントークという集会などでもこのワクチンを批判してきました。山本英彦氏が医学的内容を担当した、日本消費者連盟のインフルエンザワクチン批判パンフレットも発行されました。

 今回の法案に対しては、日本消費者連盟・日教組・予防接種情報センター・ワクチントークなどの八団体が小泉首相にあてて予防接種法改悪反対の要請文を出しました。これに医問研も賛同しました。国会論議では、社民党と、薬害エイズで闘ってこられた川田悦子議員らが反対してくれました。私たちは患者・国民にこのワクチンをしないことを呼びかけると共に、子どもへの拡大を防ぐためにも科学的な批判をよりいっそう強めていこうと思っています。

 もうすぐ、医問研メンバーの執筆によるインフルエンザワクチンや日本脳炎・ポリオワクチンについて科学的評価をしたパンフレットも出る予定です。

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