2002年01月25日発行723号

【“STOP THE WAR”掲げシネフェスタ 『MABUI』&ライブに二百五十人 東京 地域に平和な空間を】

 歌や映画を通して地域に反戦・平和の空間を―年明け早々の一月六日、東京・品川区内で「STOP THE WAR」を掲げた「おきなわ・シネフェスタ2002」が開かれ、二百五十人が足を運んだ。

 第一部。隣の大田区で活動する大田獅子舞クラブの子どもたちによる獅子舞の演技に続いて、戦後の沖縄で自立していく子どもたちを描く映画『MABUI』の上映。舞台あいさつに立った松本泰生監督はこう語りかけた。「日本を平和に、世界を平和に、とこの映画を作ったが、今の状況を危惧している。テロ以来、戦争が始まり、イスラエルはパレスチナに侵攻し、インドとパキスタンの間も危険な状況にある。自衛隊を海外に派遣する法律が成立し、日本も戦争ができる国になった今、平和に向けて考え合う日にしたい。お互いが一緒に前へ進みたい」

 休憩時間には、ロビーに展示された戦禍に苦しむアフガニスタンの子どもたちの写真に足を止める参加者の姿も目立った。

全員でカチャーシー

 第二部は様々なミュージシャンによるライブコンサート。地元で活動する「ウリパラム」による韓国の打楽器演奏や照屋三線教室による
カチャーシーで盛り上がる
写真:立ち上がってカチャーシーを踊り、また、手拍子をあわせる客席
沖縄民謡、幅広く平和を訴えてきた在日韓国人夫ー寛(プー・カングァン)バンドや小山孝さんの歌などを楽しみ、最後は月桃の花歌舞団を中心に全員のカチャーシーで盛り上がった。

 実行委員会には、三年前同じ会場で行われた『MABUI』上映がきっかけで知り合った人たちに夫さんのサポーターなど若者が加わって準備を進めてきた。打ち上げの場では「実行委員会に参加してとても勉強になった。アメリカの戦争の狙いがよく分かったし、知らないことをいっぱい教わった」「皆さんと協力していいステージが作れて満足」と声があがった。

 実行委員会では、『統一の旗』の記事を読むなど、学習する場を設けてきた。松本監督も実行委員会に加わり、「戦争が起きている今の状況をぜひ語ってほしい」という要望に応えてあいさつの言葉を練った。

文化交流を深める

 企画を聞いた大田獅子舞クラブは「子どもたちに獅子舞をやることの意義を考えさせる絶好の場。じっくり映画を見せたいから、ぜひ最初に演じさせてほしい」とすぐさま協力を申し出た。

 韓国舞踊を披露した韓国人李花子(イ・ファジャ)さんは来日して十年になる。昨年の教科書問題や小泉首相の靖国参拝への憤りをバネに十枚以上のチケットを売った。「こういう状況を変えるためには、お互いの文化の交流を深めて知り合いになることが大事。つながりが生まれれば殺し合うなんて関係にはならない」と平和な地域作りへの願いを語る。

 実行委員長の北村純一さんは「前の上映会に来てくれた人たちと一緒に何かやる場が欲しかった」と振り返る。自身が通う三線教室を主宰する照屋寛正さんと一緒に三線を抱えて教会やボランティア団体などを回り、演奏しながらチケットを広げてきた。教会関係者からは「こんなに近くでいろいろな団体ががんばっていたんですね」と声があがった。「自分たちの取り組みを知ってほしい」と願う障害者団体もチケット販売に協力した。「同じ地域の中で様々な人たちが活動していたけど、これまではお互いが孤立していた。これをきっかけに命を大切にする協力関係が広がればいい」と北村さん。

 多くの人々が戦争に危機感を感じ、平和を語り合う場を求めている。フェスタは地域の願いを結びつける場となった。

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