2002年02月15日発行726号

【小さな力が状況を変える 「自治体の持つ平和力」に学ぶ・京都 バークレー市に続こう】

 

 二月二日京都で、「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の新倉裕史さんを招いて、「止めよう!戦争への道 『自治体の持つ平和力』について学ぶ」(主催・京都から平和を!自治体決議をすすめる市民連絡会)と題した講演・交流会が開催された。

講演する新倉裕史さん
(2月2日・京都)
写真:講演する新倉さん

 同市民連絡会は昨年末、京都府下の自治体に対してアフガニスタンへの空爆中止や日本の戦争協力の中止を求める請願に取り組もうと結成された。請願の意義を考える中で、横須賀で三十年にわたり平和運動に取り組み、自治体の「平和力」を説く新倉さんを招き地域の仲間とともに自治体決議を進めていこうと企画されたのがこの日の交流会だ。

 新倉さんたちは、基地の町横須賀で月例のデモ(毎月最終日曜日)を欠かさず行ってきた。「私たちがデモを続けてこれたのは、根性がなかったから。決意主義では続かない。きのうできたことを今日もやる。非常に大事なこと」と日々の取り組みの重要性を強調する。

 アメリカの9・11テロ後、米海軍横須賀基地を拠点にする第七艦隊の空母キティホークが出港した際、「非核市民宣言運動・ヨコスカ」のメンバーでつくる「平和船団ヨコスカ」のヨット「おむすび丸」で、「Don’t kill」の横断幕を掲げ海上から抗議行動をした。小さな船が「殺すな!」と訴える。「小さな力が状況を変えるということを信じたい」と抗議行動の意義を語る。

頑張ったことを評価

 「自治体の平和力」とはどういうものなのか。この点について新倉さんは北海道小樽市を例に挙げた。一九九七年九月に空母インディペンデンスが小樽市に入港。この時、市長は「(入港を)前例にしない」と発言。二〇〇〇年十月の入港の時は、随伴艦の入港を拒否し、一般公開の中止要請を行った。自治体の採った措置について、「ゼロか百かで判断しないこと。少しでもいいから評価する。できる範囲で頑張ったことを評価することが大切」という。

 また、米国バークレー市の米軍によるアフガニスタン攻撃の早期終結を求める市議会決議についてもふれ、「日本でもバークレー市を作らないといけない。政府の方針はひとつだが、全国三千を越える自治体がいろんな方針を出すことが、安全保障につながる。軍隊をもたない地方政府の外交は平和外交しかないのだから」と語った。

地域で平和の力つくる

 一月末にバークレー市を訪問した「平和と生活をむすぶ会」の神志那嘉昭さんからは、「バークレー市に学ぶと同時に、日本の取り組みについても伝え、草の根の交流をしていきたいと思い訪問した。バークレー市でやれたことは日本でもできることを確信した。地域の中で平和の力をつくることが大切」との訴えがあった。

 亀岡市の参加者は、「テロ後、何かをしなければと『平和を願う緊急署名』に取り組み、二千三百人の署名を集め、小泉首相あてに送った。今も空爆が続いているので、署名活動を続けていきたい」との思いを語った。

 京都での取り組みの現状と今後の方向について、市民連絡会代表の杉谷伸夫さんは、「京都市などで請願・陳情署名に入っている。この取り組みは、三月議会で終わるものではない。市民の側を向いた自治体を作っていこうという取り組みの一環だと思う。今後ずっと続けていく一歩として、連絡会への参加を呼びかけていきたい」と話した。

  

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