大地震の跡さながら
イスラエル・シャロン政権の国家テロが引き起こした「ジェニン大虐殺」に、国際的な批判が集中している。
ヨルダン川西岸地域のジェニン難民キャンプは、瓦礫の山と化している。同キャンプには、千百戸に一万三千人が住んでいた。イスラエル軍は四月六日、武装ヘリによる住宅への無差別攻撃を開始し、その後、キャンプを完全封鎖。破壊と殺りくの限りを尽くした。パレスチナ自治政府によれば、少なくとも五百人以上の犠牲者が出ている。イスラエル側は事実を隠そうと必死だが、軍による残虐行為は次々と明らかになってきている。
他の自治区よりはるかに大規模な破壊(ニューヨークタイムス)。ジェニンの病院関係者は難民キャンプから三十九遺体を回収したことを明らかにしており、犠牲者数は二百人から四百人にのぼる可能性があると指摘(ロイター)。
また、現地の難民は「事前警告なしに民家がミサイル攻撃をうけた」「パレスチナ人五人をうつぶせに並ばせイスラエル兵二十人が一斉射撃したのを見た」「軍が多くのパレスチナ男性をトラックで連行している」事実を証言している(各紙)。
四月十九日、調査に入った国連のテリエ・ラーセン事務総長特使は、「大地震があった跡のようだ。異臭が漂う中で、二人の兄弟ががれきに埋まった父親を掘り出していた。たくさんの遺体があるのは間違いない。信じがたい惨状だ」「(軍の攻撃は)いかなる目的であれ正当化できない」と非難。軍が破壊した建物は約三百戸、家を失った住民は二千人にのぼると指摘している。
シャロン支える日・米
イスラエル軍による住民の無差別殺りくはもはや覆い隠せない。戦争犯罪人シャロンを国際的審判にかけねばならない。
シャロンの大虐殺糾弾の闘いは、全世界からわきおこっている。四月二十日、ワシントン十万人・サンフランシスコ五万人のデモは、パレスチナ連帯としては米国史上最大となった。
国連安保理事会も、ジェニンに現地調査団を派遣し実態調査するよう、事務総長に促す決議を全会一致で採択した。EU(欧州連合)も経済制裁を打ち出した。
だが、最大の軍事・経済援助国である米ブッシュ政権は、軍事援助の停止も経済制裁もしないことを言明している。
日本政府もまた、イスラエル軍の人権侵害を糾弾する国連人権委員会決議(4/15)に棄権した。日本の対イスラエル輸出額は年間十一億八千万ドル、輸入額は年間八億四千万ドル(00年)、直接投資は二十三億六千万ドル(99年)にのぼる(ジェトロ調べ)。シャロン政権を今も政治的・経済的に支えているのだ。
日本政府に対して、対イスラエル経済制裁を求め、パレスチナ人の無差別殺りくを続けるシャロン政権を追い詰めねばならない。
パレスチナ現地の情報はindependent media center (jerusalem)で伝えられています。