2003年01月31日発行773号

【民間地域爆撃は人道法違反】

寄稿 アフガニスタン戦争被害第四次調査団 高瀬 晴久さん

写真:顔写真

 アフガニスタン戦争被害第四次調査団の六名は新年の一月一日にアフガニスタンに入国し、カブールとその近郊で米軍の空爆による被害者から聞き取りをした。今回は三名の被害者と会うことができた。

 カブールの北西にある町カリ・カナに住むグル・マカイさん(四十歳・タジク人女性)は、隣家との境界に爆弾が落ち二十歳の息子を亡くした。グル・マカイさんの家に同居しているハニファさん(二十八歳・タジク人女性)は、母親が爆撃で崩れ落ちた屋根の下敷きとなって死亡し、自分も左眼を負傷した。治療費が払えないため、左眼は失明状態だ。聞き取り中も、二人の表情は和らぐことはなかった。

 カブール空港近くの町ワジル・アバドに住むアブロン・フセインさん(七十歳・ハザラ人男性)は、米軍が投下した爆弾で妻を亡くし、自分は以前から聞こえにくかった耳が完全に聞こえなくなった。

 この三人が被害を受けた場所はいずれも、タリバンの施設から数百メートルも離れた民間住宅地域だった。民間住宅地域への爆撃は、国際人道法に違反する戦争犯罪だ。現地では、米軍が戦争被害の証言を妨害する動きが強まっており、三人の証言は勇気のいる貴重なものだった。

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