無差別殺りくだ
「この戦争を止めるのは私たち 首切り・リストラを止めるのは私たち 第二回反グローバリゼーションメーデー」(主催・同実行委員会)が五月一日、都内で行われた。
この戦争と首切り・リストラを止めようとデモ行進
|
|
ピースライブや渋谷駅周辺でのパレードに続き、夜の集会のメインは、アジアプレス代表の野中章弘さんによる特別報告「報道現場から見たイラク戦争の真実」。
野中さんはまず、“戦争”という言葉に疑問を呈し、「現場の状況から“戦争”という言葉は当てはまらない。無差別殺りくに近い。マスメディアは二〜三千人が亡くなったとしているが、戦場取材の経験から言うと、数日間で二千人が死ぬというのは大変なこと。どの戦場にも、兵士たちは胸ポケットに恋人や家族の写真を持っていた。一人ひとりに命がある。そういう命の重さを、マスメディアは非常に軽く扱ってきた」と批判した。
一人の命の重さ
マスメディアによる用語のすり替えにも批判を向けた。「『誤爆』というが、それはあらかじめ織り込み済みで、殺意を持った戦闘行為だ。侵略を『解放』戦争と言う。読売は四月十日付け社会面トップで、バクダッドの市民が米軍を解放者として歓迎したと書いた。米英軍がバクダッドに迫ることを、『進軍』とも書く。一千万部を擁する読売しか読まない人は、『ブッシュの言っていることは正しかった。イラクの人たちは喜んでいる』となる。新聞は『解放』のトーンで引きずられた」と、誤った報道の犯罪的役割を指摘した。
「そこで何があったかをわれわれも忘れていく現状がある。意識が収奪され、感受性を磨滅させられている。二千人の人が死ぬとはどういうことなのか想像力を働かせ、一人ひとりの命の重さに思いを馳せることから始めなければいけない。戦争を現実だからしょうがないと安易に結論付ける前に、なぜ戦争は起きるのかを根本的に見ていかないとだめだ」と述べ、「アフガンでもそうだが、イラクの戦争で何人が亡くなったかは、今もって明らかになっていない。しかし、『戦争は予想外に早く終わった。戦後復興の話をしよう』となっている。だからこそ、この戦争の正当性はあったのかと考え、声を上げていくことが絶対に必要だ」と強調した。
集会ではまた、闘う闘争団などの争議団や、アフガニスタン国際戦犯民衆法廷実行委員会が相次いで発言。反グローバリゼーションの取り組みに力を合わせていこうと確認し合った。
|