2004年02月20日発行827号

【無防備地域宣言運動 3・7全国ネットワーク結成へ 大阪市では4月に条例制定直接請求運動 地域の力で戦争政策を変える】

 地域からジュネーブ条約追加議定書に基づく無防備地域宣言を掲げ平和な街づくりを目指す取り組みが全国に広がっている。3月7日には全国的ネットワークが結成される。

平和運動の新たな息吹

 全国で最も先行しているのは大阪市。昨年3月に「無防備地域宣言をめざす大阪市民の会」が結成された。

 ピースウォークや集会などで運動のアピールに立つ事務局長の前田勝幸さん。「いまこそ宣言の趣旨がいかされる時期」と強調する。「小泉首相は憲法違反、イラク特措法も無視して派兵を強行した。続いて有事関連法案や『国民保護法案』の審議が始まろうとしているが、どれも国民を守るものじゃなく戦争に駆り立てるもの。地域からこれらの動きに対する歯止めを掛けたいと運動を担ってきました」と話す。

ピースパレードでも無防備地域宣言をアピール
ピースパレードでも無防備地域宣言をアピール

 日本政府は「武力行使はしない」「集団的自衛権行使はしない」などのたてまえも取り払い、自衛隊が直接、占領支配と戦闘行動に参加するところまできた。

 この局面で、従来の平和運動に新たな息吹をもたらすものと考え、取り組んできたのは事務局の戸川博行さん。「イラク派兵は実質的な集団自衛権行使に踏み込むもの。世界に戦争を仕掛ける日本政府に待ったの声を突きつけたいのです。戦争反対、派兵反対、○○反対という運動だけではなく、地方から全国に広げ、地域の力で戦争政策そのものを転換させたい。地方議会ではイラク派兵反対の決議や意見書が400を越える数で採択されています。地域の力を集めればできることだと思います」と宣言の実現をめざす。「しかも人類の戦争違法化の流れに沿った運動。世界の人々と地域から合流する、国際連帯を意識したすばらしいものです」

全国に広がる運動

 大阪市民の会は3月7日、「無防備地域宣言運動の全国ネット結成のつどい」を開催する。

 アフガン戦争時、米国で唯一反対の市議会決議を採択したバークレー市。平和と正義委員会のフリードキンさんが来日するほか、北海道・神奈川・滋賀・京都・奈良・岡山・広島・愛媛の各府県や神戸市・天理市・枚方市など各地から無防備地域宣言をめざす運動団体が駆けつける。有事法制反対地方議員352名にも案内状を郵送し、全国と世界をつなぐ集会となる。

 「ファックスやハガキには「全国に与える影響が大きい、ぜひ頑張ってください」「政令指定都市での取りくみに勇気をおぼえます」「自分たちの地域でも具体化したい」などの激励メッセージも寄せられています」と前田事務局長は反響の大きさを伝える。戸川さんは「各地に運動が広がり、情報交換のネットワークが展望できるものになりそうです」と期待を寄せる。

受任者の拡大へ

 大阪市では、4月24日から直接請求運動がスタートする。運動期間は一か月間。「スタートが近づき、事務所あてのメッセージも増えてきました。マスコミの記事を読んだ人から、協力申し出や資料送付の依頼も相次いでいます」と話す戸川さん。「条例案もできました。あとは署名を集める受任者・協力者の目標数に一日でも早く近づくことです。昨年から継続してきたイラク写真展や平和まつり、デモでのアピールなどあらゆる場所に駆けつけねばと思っています」と奮闘を誓う。

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