2004年06月25日発行843号

【話し合うだけで罪に 思想を攻撃の対象にする共謀罪】

 ―同僚と連れ立って飲み屋に入り、イラクのことが話題に。「占領に手を貸すなんておかしい」「占領軍の兵器なんか壊したほうがよっぽど人のためだ」―こんな話をしただけで「共謀罪」。侵略戦争を遂行するために市民生活に統制の網がかぶせられようとしている。


都内で集い開催(6月11日)
写真:会場風景

 6月11日、都内で「話し合うことが罪になるー共謀罪に反対する市民の集い」が開かれた。

 国連越境組織犯罪防止条約の批准のための国内法整備を理由に刑法・刑事訴訟法・組織的犯罪処罰法などの「改正」案が今国会に提出されている。とりわけ問題なのが「共謀罪」の新設だ。4年以上の刑を定めた557にのぼる犯罪について(1)当該行為を実行するため組織により行われ(2)遂行を共謀したものに適用される。組織とは2人以上であればよく、実際にその行為を準備していなくても、つまり冗談で口にしただけで犯罪にされる。加えて、自首すれば無罪という規定も盛り込まれている。しゃべらせて密告させれば、いくらでも犯罪が作り上げられてしまう。

 集いでは「戦争と共謀罪」と題して弁護士の海渡雄一さんとジャーナリストの斎藤貴男さんが対談。まず、海渡さんが「マフィアなどの犯罪対策という理由がつけられているが、対象は国際的な犯罪をはるかに越えて生活の隅々まで及んでいる。処罰の対象は行為ではなく、思想だ。政府は国民すべてを監視下に置こうとしている」と危険性を指摘した。

 斎藤さんは「住基ネット、盗聴法という流れの総仕上げ。為政者にとって好ましくない行動すべてを管理するものだ」と応じる。

マスコミは権力の手先

 イラク派兵への反対世論を抑える役目に話が及ぶと、海渡さんは「反戦ビラを入れただけで逮捕する一方、他のチラシはお目こぼし。警察は恣意的な運用を強めている」。斎藤さんは情報操作の危険性を強調した。「イラクで拘束された人たちの思想を調べ上げ、権力に逆らう人間となったら徹底的に非国民扱い。こうした動きをマスコミは全く報道せず、戦争協力を始めている。権力の手先と考えるべきだ」

 インターネット規制を強める動きについて山下幸夫弁護士が報告。「大阪や京都で、ソフトの悪用を理由にソフト製作者を逮捕する動きが続いている。包丁が事件に使われたといって包丁製造者を逮捕するようなもの。警察は、著作権法に対する製作者の態度が挑戦的と言っており、思想処罰だ。ネットワークでつながったパソコンに次々アクセスしてデータを差し押さえたりプロバイダに通信履歴の保全を求めることも可能で、国民の通信の秘密が侵害されようとしている」

 最後に主催者が「政府は次の国会での成立を狙っている。イラクからの自衛隊撤退の運動とつながった闘いが必要だ」とまとめた。

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