12月5日大阪で、戦争体験を語り続けている本多立太郎さん(90歳)の「戦争出前噺」1000回・全国行脚達成と著書『父を語る』出版を記念して、祝う会が開催された。
祝う会で本田立太郎さん(左)と佐久間忠雄さん(12月5日・大阪)
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本多さんは「戦争世代は責任を負い続けていかないといけない。残された命をそれに使いたい。求められなければ出向けない。平和運動の一端を担わせてもらったと思っている」とあいさつ。
出前噺のスタートは、「孫に軍服は着せたくない。そのために戦争体験を語り残しておこう。どう受け止めるかは個々人の自由と、語り始めた」という。第1回は1986年2月11日、京都東山郵便局で。以来、回を重ね11月で1000回、全都道府県での出前噺を達成した。特に、この1年間では東北各県めぐりを含め、実に90回以上になる。イラク戦争と自衛隊派兵、「日の丸・君が代」問題など、現在の情勢の中で出前の注文が増した結果だ。
全国で小さな集会を
1000回も続いた秘訣について、「モットーは、『諸事いいかげん』。それと、和歌山に引っ越したことがよかった。時間の流れがゆるやか、気分の切り替えができた」。
イラク派兵などキナ臭い動きにふれ、「やがて同じ道を歩くのではないか。次の世代がとんでもない状況の中に追い込まれるのでは。これからは、全国いたるところで小さな集会を重ねることが必要」と強調した。
東京から参加した鉄建公団訴訟原告の佐久間忠夫さんは、「分割・民営化の闘いの時から出前噺が始まっている。それで1000回というのはすばらしい。会場にきて思ったが、女性や若い人が多いのがうらやましいし、すばらしい。女性がいて若い人がいるのが相手側からみて一番いやなこと。労働組合ではなかなかできていないが、今日はいい一日がおくれた」と激励の言葉を送った。
本多さんの出前噺は、これからも続く。
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◆本の紹介
『父を語る』(著者・本多立太郎)
・発行 すりかふ出版社
和歌山県日高郡みなべ町清川214
電話 0739‐76‐2245
・定価 本体952円(税別)