市長をはじめ市当局の責任を一切不問にし職員だけに責任を押し付けた大阪市の6331人「カラ残業」処分。福祉切り捨てと一体で物言えぬ職場をつくるためにかけられたこの攻撃に、2人の職員・元職員が裁判に立ち上がっている。この勇気ある労働者を支援しようと7月16日、「大阪市政改革を市民の手で! カラ残業不当処分撤回裁判を支援する会」が結成された。
原告の河上さん
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支援する会の結成にむけた経過報告・会則などの提案は、なかまユニオン大阪市職員支部・矢野幸一支部長。「全国で吹き荒れている自治体改革を大阪市でも推し進め、物言わぬ職員をつくろうという中でのカラ残業処分であったと考えている。市民不在の改革に物を申していく闘いにしたい」との呼びかけを基に、支援する会結成が確認された。
原告の桑代さん
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ひとり自治体労働者の問題ではないと、代表世話人には、大阪市民ネットワーク・藤永延代さんや関西地区読谷郷友会会長・平安名常徳さん、大阪湾会議代表・小西和人さんらも名を連ねている。
市政を市民の側に
平安名さんは「市民運動、市政改革という点から大変重要な裁判。本当の意味で労働組合の再出発の第一歩になり、民主主義が根付いていく。労働者すべてを悪とするのではなく、正しい市民運動をしていかないと。前回の集会で、「お前たち職員はまた開き直るのか」とか、「親子2代・3代と生活保護を受けている人がいる、けしからん」といった発言があった。ほっておくと大変危険だ。それを正していくのもわれわれの役割」と強調した。
会結成の場は、第3セクター問題の学習会も兼ねた。支援する会代表世話人でもある破綻第三セクターの無責任を糾す市民の会代表・藤田隆さんは、第3セクターに対する多額の財政支出について「無責任に事業をすすめ、設立目的とは違い貸しビル業化しており、公益性などない。問題解決を先送りし、責任追及を免れることなどは市民の利益にまったく反する」と市当局の姿勢を批判した。
あいさつする代表世話人の平安名常徳さん
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代表世話人の学童指導員・柏原貴司さんは「大阪市の学童保育はいまだに保護者の共同運営で狭い文化住宅を使って保育しているのが実態。市の責任を問う学童保育条例制定の直接請求をしたが、否決された。カラ残業処分は、市民要求を切り捨て市当局のいいなりになる職員づくりをすすめるもの。市民に冷たい市政を私たち市民の側にとりもどすためにともにがんばりたい」と、連帯の言葉を寄せている。
職場で話題に
原告の桑代俊博さんは「職場で、裁判について『どうだった?』『次はいつあるの?』と声をかけられ話題になっている。今年から、母子家庭世帯の就労・増収指導と銘打って『母子自立支援プログラム』が導入された。世帯の状況に応じて増収を図ること自体を否定しないが、誤ったやり方でプログラムを使わないよう頑張りたい。福祉切り捨てを許さない思いで闘い、この裁判に勝利したい」と決意表明。
もうひとりの原告・河上賢さんは「物言わぬ労働者をつくろうとしていることに歯止めをかけたい。職場で一緒にやっていく人を一人でも多くつくりたい。労働者と市民が手を携えた運動をどうつくっていくかがカギ。職場・地域で集いがあれば、参加するので呼んでほしい」と裁判への思いを述べた。
裁判の第2回口頭弁論は、9月7日(水)午前10時から行われる。
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◆支援する会 連絡先
・電話 06-6242-8130
(なかまユニオン事務所内)
・会費 年間 1200円