2005年12月02日発行914号

【914号主張 世界を狙う日米軍事一体化 IFC連帯で反撃】

「世界の中の日米同盟」

 11月16日、日米首脳会談が京都で行われた。会談で両首脳は「世界の中の日米同盟」(小泉)「日米関係はアジア、世界平和のアンカー(錨=いかり)の役割」(ブッシュ)と、世界を照準にした日米軍事同盟強化をうたいあげた。

 さらにイラク派兵について、小泉は「多国籍軍の一員として汗を流すこと、日米同盟の重要性を総合的に考えて判断したい」と積極的に占領政策を担うことを表明。イギリス、オーストラリア、韓国など派兵各国が撤退や縮小を検討する中、いち早くイラク派兵継続を決める突出ぶりだ。

 マスコミでは陸上自衛隊の撤退方針が大きく伝えられたがこれは全くのまやかしだ。すでに派兵の名目を失っていた陸自の撤退を報道させる一方で、イラク占領軍の兵たんを直接担う航空自衛隊の輸送活動は継続し、輸送拠点の追加さえ検討している。

 現在、ブッシュ政権の支持率は低下の一途をたどり、11月3日の米ABC―ワシントン・ポスト世論調査では、支持率39%、不支持率60%、イラク戦争への不支持は60%に達した。11月15日には共和党が多数を占める上院で、米軍の段階的撤退に向けた条件作りを求める決議案が79対19の賛成多数で可決されるなど、米国内でも撤退世論が急速に高まっている。

 破綻したブッシュのイラク占領を支えとりつくろう小泉は、正真正銘の共犯者である。

基地強化押し付ける小泉

 日米首脳会談に先立ち、10月29日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、あらゆる段階での日米軍事一体化を進める「日米同盟『未来のための変革と再編』―中間報告」を発表した。

 この日米軍事一体化と基地再編強化について、小泉は首脳会談後の記者会見で「基地を抱える沖縄はじめ各自治体が反発している。しかし、日米安保条約による平和と安全の中に日本の発展があり、しかるべき代価を払わないといけない。政府一体となって、粘り強く最大限の努力をしたい」と言い放った。

 国益=グローバル資本の利益のためには、自治体・国民は犠牲を払うのが当然であり、反対する者は国家をあげてそれを押さえ込むことを公言したのである。

 まさに戦争国家だ。

IFC連帯で自衛隊撤退を

 日米軍事一体化は、両国が共同侵略軍としてグローバル資本の権益のための先制攻撃を世界中で展開していくためのものだ。日米軍事同盟強化と日本の戦争国家化は、アジアと世界の平和を脅かす。沖縄をはじめ基地を抱える自治体住民に犠牲を強い、イラクの子どもや女性を殺戮する。すべての占領軍を撤退させ、無法な軍事力行使をやめさせ、戦争屋たちを追放しなくてはならない。

 イラクの民主的再建の闘いと日本の平和と民主主義を実現する闘いは一体だ。占領軍とかいらい政権、宗教勢力の支配に対抗し、民主的イラク再建を求めるIFC(イラク自由会議)を支援し、全占領軍―自衛隊を撤退させよう。沖縄名護新基地阻止、全国の基地再編反対で、日米戦争同盟に反撃しよう。「イラク自由会議とともに全占領軍の即時撤退、イラクの民主的再建をめざす1・29国際連帯集会」を成功させよう。(11月20日)

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