2005年12月23日発行917号

【すぐもどれ自衛隊 ワールド・ピース・ナウが12・11デモ】

 12月8日、小泉内閣は14日に期限切れとなる自衛隊のイラク派兵を1年間延長する閣議決定を強行した。これに抗議し、自衛隊の即時撤退を求めて12月11日、都内で「WORLD PEACE NOW(WPN)12・11終わらせよう、イラク占領 タイムオーバー、すぐもどれ自衛隊」が開かれた。


 寒空にもかかわらず、会場の上野水上音楽堂には約1000人の市民がつめかけた。

「自衛隊すぐもどれ」とデモ行進(12月11日・東京)
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 主催者あいさつで日本消費者連盟の富山洋子さんは「アメリカによるイラクへの先制攻撃が国際社会の平和と安全を著しく阻害しているのは明らか。イラクでは10万人もの命が奪われ、生活が破壊され、大地は劣化ウラン弾によって汚染された。特に、子どもたちへの影響は大きい。日本政府がどうとりつくろおうとも、派兵された自衛隊は侵略の加担者に他ならない」と批判。

米軍再編強化に反対

 市民団体「PEACE ON」の相澤恭行さんも「先日、イラクのアーティストと現地スタッフを招き、日本に望む一番の支援は何か尋ねた。返事は『日本の自衛隊を撤退してほしい』。理由は、日本の軍隊派遣がアメリカによる占領の正当化に使われており、撤退すればアメリカが孤立する状況が生まれるから、というものだった」と話し、自衛隊の即時撤退を強調した。

 ピースボートの川崎哲さんは、自衛隊がイギリス軍やオーストラリア軍の撤兵と合わせて早期に撤兵するかのように報道されていることに触れ、「日本もオーストラリアも相手の様子を見て、今の占領状態・戦争状態を終わらせる行動には踏み出さない無責任なもの。私たちは日本にこそ占領状態を終わらせる一歩を取らせるようにしなければならない」と闘いの強化を訴えた。

 また、派兵延長と一体の日米同盟強化の動き−横須賀の米原子力空母母港化やキャンプ座間の再編強化などに反対する闘いについて、神奈川平和運動センターの金子豊貴男さんが発言。「11月13日のキャンプ座間ヒューマンチェーンは3500人の参加で成功した。座間市では市長が『ミサイルを打ち込まれても反対する』と表明し、市・自治会あげて反対の運動が取り組まれている。2500か所にポスターが貼りだされ、21万人分の反対署名が集まった」と闘いの広がりを報告した。

 集会後、参加者は年末の日曜日でにぎわう御徒町駅周辺をデモ行進。先頭を行く若者たちは音楽に合わせて踊りでアピール。「すぐもどれ!自衛隊」「世論無視!小泉、勝手に派兵延長」など数多くのプラカードが掲げられた行進は、道行く人の注目を集めた。

閣議決定に抗議行動

 この日に先立って閣議決定当日の12月8日にも、WPNの呼びかけで国会前・首相官邸前で抗議行動が行われた。「戦争へ戦争へと人権・自由が切り縮められている。戦争にかかわるすべてをなくせ」(日本山妙法寺)「64年前に真珠湾攻撃に乗り出したその日に閣議決定するとは」(婦人民主クラブ)「イラクでは誘拐・人身売買など女性や子どもへの人権侵害が横行している。シェルターづくりへの支援が必要」(VAWW−NETジャパン)などの発言が続き、オーストラリアの反戦団体からの「日本軍の駐留継続を口実にハワード首相は(来年5月で終わるとしていた)オーストラリア軍の駐留を延長しようと狙っている。共に撤退をめざそう」とのアピールも紹介された。

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