2006年07月21日発行945号

【945号主張 ミサイル発射に民衆の抗議を 制裁でなく今こそ無防備へ】

戦争挑発のミサイル発射

 7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)は計7発の弾道ミサイルを発射、いずれもロシア沿岸海域に着弾した。朝鮮外務省報道官は翌6日、発射の事実を認め「通常の軍事訓練。今後もミサイル発射訓練を続ける」と開き直った。

 これは戦争挑発そのものだ。平和を愛し戦争の根絶を願うアジア、そして全世界の民衆と反戦運動への許しがたい挑戦であり、どのような理由をつけようとも正当化できない。

 今回のミサイル発射は、今ようやく進み始めた朝鮮半島―東アジアの平和と共存への流れを破壊し、一気に緊張を激化させる。

 朝鮮半島をめぐっては、2000年の歴史的な南北首脳会談から02年日朝ピョンヤン宣言をへて、05年9月の6か国協議共同声明では、朝鮮が核放棄を約束する一方、米国も朝鮮を攻撃しないことを約束する画期的な合意に至っていた。平和を求める国際世論を背景に、軍事力による対決ではなく外交交渉で平和的関係を築く歩みが進みつつあった。今回のミサイル発射は、「実験凍結」をうたった日朝ピョンヤン宣言に違反し、「永続的な平和と安定のための努力」を約束した6か国声明の精神を踏みにじる、緊張激化への”暴走”なのである。

 ただちに全世界から抗議の声を上げ、2度と暴挙を繰り返させてはならない。

勢いづく戦争屋たち

 朝鮮のこの暴発で勢いづいているのが、権益のためにいつでもどこでも戦争を引き起すブッシュ、小泉らグローバル資本の戦争屋たちだ。

 とりわけ日本の好戦勢力の動きは突出している。政府は、発射後ただちにマンギョンボン号入港禁止など制裁措置を発動。青森、福井、熊本県では、国民保護計画に基づく「初動(=戦時)体制」がとられた。日米の共同作戦は自明とされ、翌7月6日、防衛庁はミサイル防衛配備計画の前倒しを打ち出した。

 政府は7日、国連安全保障理事会に対し「国連憲章第7章(平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動)に基づいて」とした制裁決議案を提出。軍事的措置を含む「憲章第7章」を持ち出し、ブッシュのイラク戦争突入時と同様に、国連の名で武力行使の道に突き進もうとしている。憲法9条はここまで無視されてしまった。

 朝鮮のミサイル発射は、日米の戦争勢力に絶好の大義名分を用意したことになる。

制裁にも威圧にも反対

 では、経済制裁と軍事力で朝鮮の暴挙をとめ平和が築けるのか。そうはならない。

 在日米軍は朝鮮をいつでも先制攻撃できる多数の高性能巡航ミサイルを持つ。朝鮮を「仮想敵」とした日米共同演習が日常的に行なわれ、アジア、朝鮮半島を照準に日米軍事一体化は急速に進んでいる。朝鮮は暴挙の「口実」に常にこの軍事的威圧を使う。グローバル資本の戦争路線こそ事態の元凶なのだ。

 必要なのは制裁でも軍事的圧力でもない。国際世論を背景にした平和的交渉だ。日米軍事一体化をとめ、日朝交渉、6か国協議を再開し、事態の平和的解決と日朝国交回復へ前進させねばならない。そして、戦争システムを根本的に解体していく無防備地域宣言運動を今こそ全国に広げる時である。   (7月9日)

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