2020年02月07日 1611号

【国会ヤジ「だったら結婚しなければいい」/差別容認 ヤジ議員隠す自民党/ OPEN 平和と平等を拓く女たちの絆 山本よし子】

 1月22日の衆院代表質問で、国民民主党玉木雄一郎議員が「選択的夫婦別姓」導入を求めたところ、自民党席の女性議員が「だったら結婚しなければいい」とヤジを飛ばした。改姓が嫌なら結婚するなというのだ。

 ジェンダー平等をめざす制度改善に水を差し、憲法が保障する結婚の自由を否定する許せない発言だ。ヤジ議員のジェンダー差別思想を厳しく批判したい。

 と同時に、身内をかばいヤジ議員を明らかにしない自民党の姿勢は、この間の「桜を見る会」や「IRカジノ」疑惑で明らかになった安倍政権の隠ぺい手法と共通するものである。また、女性間の「意見の対立」をことさら強調することで、制度の改正を拒もうとする意図が見えている。

「選択的夫婦別姓」を

 結婚後、同姓にするか、別姓のままかは自分たちで決めるという「選択的夫婦別姓」は、多くの女性たちの悲願である。民法では夫婦同姓が義務付けられており、結婚時に女性が改姓する場合が9割以上になっている。しかし、姓が変わることで仕事の上で不利益を受ける女性も多い。また一方の姓に代わることは、個人としての尊厳を傷つけることになる。

 夫婦同姓を法律で義務付けているのは、世界では日本だけで、国連の女性差別撤廃委員会は女性差別の制度を改正すべきだと勧告している。すでに野党は共同で民法改正案を提出している。今国会で「選択的夫婦別姓」を実現させよう。

女性議員を増やそう

 ジェンダー平等の政策を実現するためには、女性の議員をもっと増やさなければならない。昨年12月、世界経済フォーラムが発表した日本のジェンダーギャップ(男女格差)が、153ヶ国中121位と過去最悪になった。特に格差の大きいのが政治分野であり、衆議院の女性比率はわずか1割という実態だ。女性議員は増えず閣僚は減少している。

 「政治などの大事なことは男に任せておけばいい」という考えを変え、女性が政策の決定する場にもっと進出できるよう「政治分野における男女共同参画推進法」を実効性のあるものにし、国会でも地方議会でも女性議員の比率を高めなければならない。

 ただし、自らの性をおとしめるヤジを飛ばすような女性ではなく、ジェンダー平等の視点で行動、発言できる女性議員を増やそう。

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