2020年03月27日 1618号

【議会を変える、市民と変える 京都府向日市議 杉谷伸夫 ついに中学生の医療費無償化を表明】

 1610号で中学生の医療費無償化を巡る向日市の動きを伝えましたが、良い報告です。実施に難色を示していた市長が、この秋から実施をめざすと表明したのです。

 3月定例議会を前に、4月からの新年度予算案には中学生の医療費無償化の予算は盛り込まれない見通しで、さてどうするか頭を悩ませていました。予算の修正提案を行うことに対しては、請願に賛成した議員の中でも、「当初予算の修正は短兵急だ」という議員から「この1点の修正だけで予算全体に賛成するわけにいかない」という議員まで、立場がばらばらなのです。

 そこで秋からの実施をめざして、「中学校の医療費無償化の早期実施を求める」付帯決議など、色々対策を考えているうちに、議会開会日を迎えました。その翌日に各議員が市長に対する一般質問通告書を提出するのですが、何と12月議会で中学生の医療費無償化を求める請願に反対した自民系と公明党の議員が、実施を求める趣旨の質問通告を行ったのです。

 そして、その質問への答弁で、市長はこの秋から実施をめざしたいと表明したのです。私や市民の請願は無視する一方で、保守系議員の質問に応える形で実施表明する。古くて露骨なやり方です。

 でも昨年末からのこの変化は、何だったのでしょう。おそらく「向日市はなぜやらないのか」「なぜ無償化に反対したのか」という声が、市長にも、保守系議員にもたくさん届き、実施せざるを得なくなったのでしょう。

 1年近く前から全面的に論陣を張って、実施を求め続けてきた成果です。あれこれ対策を練っていた私としては、確かに少し拍子抜けした感じです。でも色々な人と対策を相談していた私の動きを察知して対応したのか、とも勝手に想像しています。

 実は昨年末の議会では、「無償化に伴って幼稚園への助成を減らさないで」との請願も、全会一致で採択したものの、こちらの方は予算上ほとんど無視されました。今議会の審議では、私が一般質問で追及した以外は、誰も取り上げませんでした。議会として請願を全会一致で採択しておきながら、これで済ませたのでは無責任です。残念ながら幼稚園関係は私の所管外なので、今議会ではこれ以上何ともできませんが、次の議会へ向けて改めて論陣を張って行くつもりです。
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