2021年07月30日 1684号

【1684号主張 オリンピック強行は命脅かす 五輪は中止だ 菅を倒そう】

感染爆発と防止策破綻

 東京五輪を目前に新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大している。東京の新規陽性者数は連日千人を超える。「8月10日頃に1日4千人」という最悪のシナリオ(7/7厚生労働省専門家会議)すら上回るペースだ。この試算では、8月上旬に都が確保している6千病床が埋まり、中旬には入院が必要な患者は1万人に到達。医療体制は崩壊する。

 来日した選手、組織委員など大会関係者の陽性者数も55人となり(7/18現在)、さらなる増加は必至。「バブル方式」は机上の空論で、大会関係者が到着した空港で一般利用者と入り混じるなど最初から穴だらけ。隔離期間は3日間に短縮され、あとは野放しになっている。国際オリンピック委員会のバッハ会長、コーツ調整委員長は、被爆者、市民の抗議を無視して広島、長崎訪問を強行したが、五輪貴族≠フ特権への反発と怒りを広げただけだ。

五輪中断、中止は可能だ

 市民は五輪中止を決してあきらめていない。組織委員会事務所前やバッハ会長宿泊ホテル前など抗議行動が続き、オンライン署名も45万筆が積み上がり今も拡大中だ。世論調査では中止または延期を支持する声が4〜5割を占め、65%の人が「安全、安心な大会」はできないと回答している(7/17毎日)。市民は、オリンピックが「平和の祭典」などではなく、グローバル資本による利権まみれのイベントと見抜いている。

 五輪強行にとどまらず、菅政権の無策、迷走は極まっている。効果・副反応が不明確なワクチン一本槍で突き進んできたが、それすら供給不足で大混乱だ。飲食店に対しては、給付金は少額で遅れ放題の上、金融機関や酒類販売業者から圧力をかけさせることまで画策していた。当事者はもちろん自民党や支持者からも違憲・違法との批判が噴出し撤回に追い込まれた。政府コロナ対策分科会の尾身会長も今更ながら「人々の行動制限だけに頼るという時代はもう終わりつつある」と、PCR検査の拡充や下水調査に予算を使う必要性を指摘せざるをえない。

コロナ対策抜本転換を

 菅政権への不満、怒りは日に日に高まっている。選挙に負け続け、内閣支持率は過去最低を更新し「危険水域」とされる30%を切る調査結果も複数出ている。

 今こそ菅政権を打倒するときだ。市民の命と人権を脅かす東京五輪を中止し、辺野古新基地建設など戦争準備にかける莫大な予算を検査・医療・補償の抜本的拡充といったコロナ対策に回すことが必要だ。

 市民と野党の共闘を強化し、菅が推進してきたカジノ誘致に終止符を打つ山中竹春さんの横浜市長当選を勝ち取ろう(8/8告示、8/22投開票)。続く総選挙でも勝利し、菅内閣退陣を実現しよう。

 (7月18日)
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