2021年07月30日 1684号

【東リ偽装請負裁判結審/勝利確信し、全国の非正規労働者の希望となる闘いを】

 住宅建材メーカー東リ(本社兵庫県伊丹市)から解雇されたL.I.A.労組5人の控訴審(大阪高裁)が7月13日結審した。冒頭、控訴人藤井裕之さんが意見陳述。「2年前、母を亡くし、父を在宅介護。苦しい生活が続いている。19年間、東リのブランドを傷つけまいと働いてきたが、正社員との格差は長く働くほど開いていく。全国の非正規労働者のためにも公正な判断を」。拍手がわいた。

 労働者保護の目的で15年に施行された「労働契約申し込みみなし制度」(労働者派遣法第40条の6)に基づく「地位確認」訴訟は全国的にも注目されている。清水響裁判長は「判決日は11月4日」と告げた後、「和解」協議を提案した。

 偽装請負を認めなかった神戸地裁の判決(20年3月)を覆すに足りる実質審議が行われ、逆転勝利判決への期待が高まっていたが、予断は許されない。

 村田浩治弁護士は報告集会で「和解の前提条件は地位の確認」との認識を示した。控訴人からも「中途半端な和解はできない」「現職復帰をめざしている。逆転勝訴判決に自信はある」との思いが語られた。

 解雇以来4年3か月の苦しい闘いが報われる和解案になるのか。全国の非正規労働者の希望となる判決文を望む声が多かった。和解期日は8月25日。

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