2021年08月27日 1687号

【1687号主張 第5波は菅政権の人災だ 起ち上がらなければ殺される】

全国2万超の感染爆発

 新型コロナウイルスの感染爆発が経験したことのない状況となった。8月13日、全国の新規陽性者数が初めて2万人を超えた。同日東京都で5773人、14日大阪で1828人、沖縄でも752人と過去最高だ。

 都では14日に入院患者数も過去最多を更新し、感染者数の増加に医療機関の受け入れ体制や保健所機能が追いつかず、医療崩壊状態。12日の都のモニタリング会議が「制御不能な状況」「災害レベルで感染が猛威をふるう非常事態」と言わざるを得ない状況だ。

 この感染爆発は、菅政権、小池都政などによる人災だ。小池知事は専門家らが医療崩壊の危機を訴えても、臨床病棟や大規模検査体制の整備ではなく、市民に責任を押し付ける「自粛お願い」ばかり。感染激増でも命より五輪・パラ優先の姿勢は全く変わっていない。

 菅首相は、過去最大の感染者数について記者から総括を求められると、「自己評価することは僭越(せんえつ)」とこの期に及んでも反省表明一つなくワクチン自慢に終始。人権制限と責任転嫁の緊急事態宣言を拡大・延長するのみで、市民、医療従事者のぎりぎりの状況は黙って眺めているに等しい。

在宅死加速の入院制限

 「自宅療養者」が全国で増え続けている。東京では過去最高の2万人を超えた。調整中を含めれば3万5千人、全国で同9万5千人(8/11厚労省 療養状況、病床数等に関する調査結果)というとてつもない事態が起きている。感染症悪化に対応できず自宅や施設などでの死亡者累計は567人に上る(昨年3月〜今年7月警察庁、8/14赤旗)。

 しかし、菅政権は「原則自宅療養」方針を強要し続ける。保健所機能は麻痺し健康観察の電話は通じず医療機関逼迫(ひっぱく)で入院もできない中、誰が安心して自宅療養などできようか。小池は、30代自宅療養者の死亡にも、油断した若者のせいであるかのように開き直った。

 大資本や五輪に巨額の税金を投入しながら、コロナ対策・医療拡充を行わなかった責任は重い。新自由主義的医療切り捨ての極致だ。

臨時施設を 隔離-保護を

 自宅療養者を直ちに医療機関の保護の下に置き隔離・治療する体制を築かなければならない。それは待ったなしだ。福井県は自宅療養はさせない≠ニ体育館等に臨時病床を設置した。海外でも大規模な臨時医療施設確保で対応してきた。プレハブ病棟建設、五輪選手村や競技場の転用等―手立てはある。自宅療養=放置ではなく、一刻も早く感染者を医療の下に置いて命を守り、大規模検査と一体で感染拡大を止めなければならない。このままでは菅、小池らに殺される。

 市民の命の叫びを政府・自治体に突きつけよう。人災の元凶である菅政権を倒そう。

 (8月17日)
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