2021年08月27日 1687号

【ドクター ワクチン効果は多くの研究報告より低い】

 オリンピックの開催中、新型コロナ感染者は激増。対する菅政権の対応は、患者切り捨ての「重症者など以外は自宅療養」であり、これは最大の感染源「家庭内」をさらに増加させます。

 政府が頼るのはワクチンですが、その弱点がより明白になってきました。当初は臨床試験で「コロナ感染症に95%の効果」が宣伝文句でした。実社会での接種も発病を8〜9割防ぐし入院や死亡も防ぐ、変異(英国)株にも効くと世界トップクラスの医学雑誌に報告されました。これらを背景に、世界中でワクチン接種が強行され続けたのです。

 ところが最近、国民の5割以上が接種を完了したイギリス、スペイン、イスラエルで感染数が激増、同4割以上の米国などでも感染が増加したのです。とうとう米CDC(疾病対策センター)はデルタ株に効果が少ないことを認めました。

 でも、ワクチン会社は転んでもただでは起きません。ファイザー社はデルタ株には3回目の接種をすべきとしたのです。何とその根拠は、たった23人の抗体を測っただけ。こんな冗談のようなデータを基に接種されたのではたまりません。2回接種でも膨大に出ている副反応(害)が3回目でどれほど出るかも不明です。WHO(世界保健機関)でさえ反対しています。

 にもかかわらず、ファイザーの実験場とされたイスラエルでは3回目の接種開始。こうなると医学自体の崩壊です。流行を防げないワクチンを、コロナ感染では死亡者の極めてまれな子ども(日本では20歳未満でゼロ)や青年層に接種することは、害作用を考えるとまさに人権侵害です。 

 他方、高齢者への接種率が高い日本(8割程度完了)も含め接種率の高い国々で、感染者の激増に比して死亡者は微増です。重症化防止に本当に貢献するのか、実社会での調査研究も含めて吟味が必要です。

 「95%に効く」には、イギリス医師会雑誌(BMJ)副編集長ピーター・ドーシ氏などが強い疑問を投げかけていました。私は、実社会でのワクチンの効果は、デルタ株以外でも先の多くの研究報告より相当低いと考えています。その根拠の文章をドーシ氏に添削してもらい、ワクチン評価の一石にと『BMJ Open』にアップしています(COVID-19 vaccine Keiji Hayashiで検索)。コロナの課題は、巨大製薬企業から人権とまともな医学を守る闘いでもあります。(筆者は小児科医)
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