2021年08月27日 1687号

【岡山で沖縄&広島報告会 人と人、過去と現代の分断でなく 学び、繋がり 抵抗する=z

 8月1日、岡山市内でZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)主催「沖縄&広島報告会」が開かれた。語り継ぎ守り抜こう 呉の歴史/向き合おう 沖縄の現実/闇の中から未来への希望を≠フメッセージは、若者など13人の参加者にしっかりと届いた。

 コロナ禍と猛暑、そして東京五輪の最中に開催した岡山報告会。自粛ばかりを命じられ、さらに情報の錯綜が混乱をもたらすコロナ禍。「多様性と調和の推進」をスローガンに掲げながら、コロナ患者や生活困窮者を置いてきぼりにし、バッハ会長はじめ一部の関係者のみの懐が潤った東京五輪。この報告会を、人と人との分断が広まり、深まった時期に開催したことは、記憶に残り続けるでしょう。

 分断は「過去と現在」という時代区分に対しても、広がりを見せます。私は、3月に訪れた広島県呉市で、敗戦や一般国民の犠牲には触れず「高い技術力を持った強く誇り高い日本」を強調する姿勢を目の当たりにした体験を伝えました。

 歴史を権力者に都合よく書き変えることは、連綿と続く歴史の糸を断ち切り、現代人を歴史から切り離すことを意味します。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」「未来は過去の延長線上にある」―これらの言葉を参加者とシェアし、私たちは分断に対抗し、歴史の糸を紡いでいく意志を示しました。

 土地規制法やドローン規制法など、権力に対抗する手段が封じられつつある上に、民意を無視した辺野古の新基地建設が止まらない沖縄。私たちは、ZENKOが米国のDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)と連携して新基地建設を止めるプロジェクト「ZHAP」を紹介し、希望は、探し求めるものではなく、自らが生み出すものであると強調しました。

 過去と現代に分断が生まれたら、学び、話し合うことによって繋(つな)ぎ、結ぶ。そして、国境や立場の違いを超えて、同じ目標に向かって歩みを進める。分断を推し進める権力に対し、学び、話し合い、繋がることによって抵抗していく。今回の報告会は、そのよい機会となりました。

  (岡山・大源亜希子)

 
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