2021年09月10日 1689号

【横浜市長選勝利 カジノ阻止の運動がつくった 市民と野党の共同の闘い】

 菅政権を窮地に追い込んだ横浜市長選(8/22投開票)の「市民と野党の共同候補」山中竹春さん圧勝。市民のどのような運動がこの勝利を切り開いたのか。カジノ阻止の闘いの上に選挙戦に臨んだ「平和と民主主義をともにつくる会・かながわ」の青島まさはるさんから報告が寄せられた。

 横浜市長選は、50万6392票を獲得した山中竹春さんが、小此木(おこのぎ)八郎前国家公安委員長を18万の大差で破り、カジノ推進に終止符を打ちました。

 この勝利をもたらしたものは、第一に2年間の市民の粘り強いカジノ阻止の闘いです。林市長リコールとカジノ住民投票条例の2つの直接請求署名運動の同時展開で約28万筆を集める取り組みが市民の約7割のカジノ反対世論を作り、カジノ推進では選挙に勝てないという力関係を築き、自民党分裂を生み出しました。

 第二は、困難な中でも「市民と野党の統一候補・山中竹春」を実現し、「自公菅・小此木対市民と野党統一候補」という対抗軸を作ったこと。コロナ無策の菅政権への対案=山中さんの勝利につながったのです。

 市民の思いは「リコールに取り組んだ市民も含めて全勢力でカジノ反対の市長実現」。市長選を大きく広げたいと市民グループなどから相談があり、4月、私も共同代表になってSTOPカジノ市長選共同アクションを結成しました。

 6月末、立憲民主党が「野党統一候補」として山中竹春さんを推薦しましたが、連合から「共産党とは並ぶな」と圧力がかかり、共産党も支持決定を留保。統一候補実現への申し入れなどを行う中、私たち共同アクションは7・18パレードを準備しました。当日は、山中さんと立憲、共産市議が並び社民党や各市民団体も結集。桜木町駅前広場に300人以上が集まり、山中さんの演説に割れるような拍手がわき起こりました。その3日後、共産党が自主支援を決定しました。

市民が前に出る選挙

 7月25日、山中さん勝利市民集会が約600人で開かれ、山中さん、立憲、共産、社民等5野党とともに市民団体・横浜連絡会、共同アクション代表の私が壇上に並びました。ようやく「市民と野党の統一候補・山中」という対抗軸、市民が前に出る選挙≠フ構えが明確になったのです。

 告示後も立憲主導の選挙宣伝は続いたものの、8月2日、19日と鶴見区で私たちが組織し共産党、社民党、市民がアピールする山中共同宣伝行動を行いました。

 鶴見区ではともにつくる会に「山中選対」を作りました。全戸チラシ7万枚、毎日4時間に及ぶ期日前投票所近くの「シールdeアクション」対話、電話かけに取り組みました。

 今回の市長選は、市内全域に私たち市民と野党の共同を進める潮流を大きく示し、市政に必要な存在との位置を築いたと思います。

 画期的な市長選勝利を踏まえ、いよいよ8月30日、山中市政がスタートしました。少数与党の下でカジノ中止はもちろん、コロナ対策など市民のための政策実現に向け、山中さんを支えるとともに、運動を強めていかなければなりません。また、総選挙へ今回のような取り組みをいっそう進め、地域からの共同の闘いで統一候補を実現し、勝利をもぎ取る闘いを作っていこうと考えています。



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