2021年09月17日 1690号

【1690号主張/市民の怒りが菅を倒した 命とくらしを守るため 衆院選で自公政権を完全に打倒しよう】

追い込まれた不出馬

 菅首相は総裁選に出馬せず、市民の怒りにより打倒された。菅はなぜ辞めることになったのか。新型コロナから市民の命とくらしを守らなかったからである。

 コロナ感染者の13万5千人(9/1厚労省発表)が治療を受けられず自宅に放置され、そのまま死を迎える人を作り出す医療崩壊をもたらしたのが菅政権である。感染者のために十分な病床を用意することが政府の責任であるにもかかわらず有効な手段をとらず、これまで政府が進めてきた病院削減計画を撤回しようとはしなかった。臨時病床設置もしようとはしなかった。また、無症状の感染者を発見し保護隔離するための、誰もが受けられるPCR検査をしようとはしなかった。

 行ったのはワクチン接種だけであり、それも政府方針通り確保できず、混乱をもたらしている。また、休業を強いられた事業者、個人への補償はなく、わずかな給付も遅く生活を破壊している。この状況下で、菅政権はオリンピック、パラリンピックを強行開催し、さらにコロナ感染拡大を招いた。この菅政権に対する市民の怒りが菅を辞任に追い込んだのである。

横浜市長選が引導渡す

 参院広島再選挙・同長野補選・衆院北海道補選の敗北、東京都議選の敗北に続き、横浜市長選惨敗が最終的に菅に引導を渡した。これは、グローバル資本向けの無駄な支出(辺野古新基地、カジノ、リニア、オリ・パラ、万博)を止めてコロナ対策に使えという強い要求の結果であり、世の中を変えようと一票を投じた市民の勝利である。

 このような菅の政策は菅個人によるものではない。コロナ対策には支出せず、グローバル資本のための軍事費、大規模公共事業費に支出するという軍拡・新自由主義路線は安倍前政権を含む自公政権が一貫して行ってきたことである。今後自民党総裁選が行われ新総裁が生まれることになるが、自公政権が続く限り市民の命とくらしは守れない。

民主主義的社会主義へ

 衆院選で自公政権を完全に打倒しよう。市民と野党の共闘で、維新などとの連立を許さない敗北に追い込み、市民の命とくらしを守る政権を作り出そう。

 医療拡充、補償など緊急のコロナ対策を実現しよう。臨時病床建設、PCR検査徹底を実現しよう。

 辺野古新基地建設を許さず、埋め立て変更申請不承認を支持し、沖縄市民と連帯して闘おう。ZHAP(ZENKO辺野古プロジェクト)をDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)とともに、朝鮮半島終戦平和キャンペーンを韓国の平和運動とともに進め、東アジアの平和を作り出そう。

 この闘いの中でグローバル資本主義の対案、民主主義的社会主義に前進しよう。

  (9月3日)
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