2021年09月17日 1690号

【監視社会に道を開く デジタル庁はいらない/発足の日に抗議行動】

 個人情報の一元的管理、民間への大々的提供を目的とするデジタル庁が9月1日、発足した。「共謀罪NO!実行委員会」など5つの市民団体はこの日朝、同庁が入る東京・千代田区の紀尾井タワー前で「個人情報を一網打尽!デジタル庁はいらない9・1行動」を展開し、50人が参加した。

 「NO!デジタル庁」の宮崎俊郎さんがマイクをとる。「ここの19階(賃料月額7千万円強)で始動するデジタル庁によるデジタル化は、日本の国の構造そのものを変える。公共の空間をなくし、すべて“私”=民間に切り替えていく。『誰一人取り残さないデジタル化』とは、すべての人にデジタル化を強制すること。『デジタルの日』とされる10月10〜11日、ノーの声を上げよう」

 総がかり行動実行委員会の小田川義和さんは「法案は誤りだらけのやっつけ仕事。プライバシー保護の規定はあいまい。デジタル庁という入れ物は出来ても中身が伴わない。穴が開いたままの泥船が出航した。準備段階で幹部公務員がNTTから違法接待。アベスガ政治の体質そのものを体現している」と批判した。

 「国・自治体・民間が持つ個人情報をすべてつなげて利用できるようにする。そのカギがマイナンバーカード。だが、この20年間で“デジタル敗戦”と彼らが言う状態になったのは、市民が拒否する住民基本台帳カードを無理やり押しつけ電子政府をつくろうとしたから。失敗の繰り返しだ」と指摘するのは、共通番号いらないネットの原田富弘さん。平和を実現するキリスト者ネットの渡辺多嘉子さんは「これはまもなく退陣する菅政権のやってきたことの“総仕上げ”。選挙もある。街で声を上げましょう。家でお友達と話しましょう」と呼びかけた。

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