2021年10月08日 1693号

【アフガン女性の闘いに全世界で連帯行動】

 アフガニスタン女性革命協会(RAWA)などが全世界に呼びかけた街頭行動が9月25日、東京、大阪、堺ほかで取り組まれた。

 大阪では「RAWAと連帯する会(RAWA連)」「平和と平等をめざす女たちの絆(OPEN)」など4団体の呼びかけに、70人を超える市民が「アフガニスタン女性に自由と権利を」などと書いたプラカードを手に街頭に立った。

 アフガニスタンでは米軍と入れ替わるように、イスラム主義集団タリバンがほぼ全土を支配。イスラム法の恣意的な解釈により女性に対する抑圧が公然化している。だが、女性の権利侵害は今に始まったことではない。街頭行動の前日、RAWA連が開いたトークイベントで、RAWA連共同代表前田朗さんは「フェミサイド(ジェンダーを理由にした女性虐殺)は家父長的社会関係の中で維持されてきた」と指摘した。同じく共同代表の清末愛砂さんも「タリバン批判の看板だけに『女性の人権』が使われてはならない」と強調する。タリバンに対抗する勢力、たとえば北部同盟もジェンダー観は同じだからだ。

 RAWAは1977年、女性の団結で社会を抜本的に変えようと一人の女子学生が呼びかけ結成された。以来、地道な活動を行っている。女性への教育や識字学校の他、職業訓練、難民支援、病院、孤児院などだ。RAWA連は学校運営などの支援を続けている。

 タリバン支配が復活した8月15日、清末さんは泣いたり、嘆いたりしたという。だが連絡を取った現地のRAWAメンバーは「何嘆いているの。闘うのよ」。タリバン兵を前に女性のデモが行われている。そのデモの中にRAWAの学校で学んだ女性たちの姿を見つけた。そのデモを守る男性もまたRAWAの学校の卒業生たちだった。教育は男性にも必要だ。次世代を育てること。厳しい弾圧の中でもRAWAが40年以上闘いを継いでいる理由の一つだ。

 RAWAは各国政府などに、タリバンに対する女性の抵抗を支援せよなどと訴えている。自らの手で国を変える決意を示す。「RAWAの辞書には諦めという言葉はない」(前田さん)。



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