2021年10月27日 1696号

【ジェンダー平等に背を向ける岸田自公政権は交代だ/OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)代表 茨木市議会議員 山本よし子】

旧態依然の差別体質

 新たに誕生した岸田文雄政権はジェンダー平等に背を向ける旧態依然である。

 まず、閣僚のジェンダー格差が大きい。今回女性の入閣はわずか3人。少子化、地方創生相の野田聖子氏、デジタル・行革相の牧島かれん氏、ワクチン、五輪担当相の堀内詔子氏。菅内閣から一人増えたものの、14・3%に過ぎない。この比率は、国連機関UN Womenの報告書(2021年3月)に照らせば、世界193か国中、124位相当になる。50%を超える国はニカラグア、オーストリア、スウェーデンなど13か国を数え、平均でも22%。これが世界の水準だ。

 ジェンダー後進国日本を変えるには女性議員をもっと増やすこと、衆院選で市民連合と野党が合意したジェンダー政策(*)を実現するため、統一候補を国会に送ることである。

 いま衆議院議員に占める女性議員の比率は9・9%、世界の166位(2020年列国議会同盟報告)。上位国ルワンダやキューバなどはクオータ制を採用している。議席や候補者の一定割合を男女に割り当てる制度であり、男女同数にする制度はパリテと呼ばれている。政治分野での女性の活躍を保障するための法整備が国際的に進んでいるのである。

議定書批准も重要


 コロナ禍にあって、ジェンダーの視点からの抜本的政策が求められている。コロナ危機は働く女性を直撃し、「女性不況」と言われる状況にさえなっている。必要なのは岸田首相が掲げる「中間層を守る」ことではなく、徹底した貧困対策、収入減に対する個人への支援だ。非正規労働、男女賃金格差の是正は必須だ。

 OPENは99年に国連が採択した女性差別撤廃条約選択議定書批准の実現も重要課題としている。日本政府はかたくなに拒んでいるが、世界では113か国が批准している。ジェンダー平等の政策を進める議員を誕生させ、国会に送ろう。

(*)市民連合と野党共通政策/ジェンダー平等
・ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。

・ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。

・政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。

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