2021年11月05日 1697号

【沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」 具志堅隆松さん 遺骨を家族の元へ/犠牲者は46都道府県に】

 長年要求してきた結果、沖縄戦の遺骨は、DNA鑑定し家族の元へ返すことが決まった。ほとんどの遺族がその事実を知らず、厚生労働省に周知へのアピールをすることを求めた。この国家事業に逆行するのが戦没者の遺骨が埋まる南部地域の土砂を辺野古基地埋め立てに使う防衛省の計画だ。アジア太平洋地域の戦没者は日本兵だけではない。朝鮮半島の方も多くが軍属として亡くなっている。

 全国の自治体の議会に、防衛省の非人道的な計画の撤回を求める意見書提出の要請を行った。全自治体の5%を超える110から採択を伝える文書が政府に送られている。7万7千人余の日本兵の犠牲者は全国から沖縄に送られた若者たち。沖縄以外の46都道府県にも犠牲者がいる。

 遺骨収集で気づいた3つの大事な間違いがある。人を殺すこと、自分が殺されるのを認めること、自分で自分を殺すことだ。戦争では死ぬのではなく殺される。死は、誰にも起きる自然の摂理で受け入れるに値する。一生懸命生き寿命を迎えた人は、さみしいが不幸ではない。しかし、殺されることは、殺す人も殺される人も不幸だ。殺されることを受け入れれば、自分を殺しかねない。旧日本軍は「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかし)めを受けず」と、戦陣訓で自殺を教育命令した。住民に波及し「集団自決」も発生した。

 いじめられている辺野古ゲート前では、「やめてくれ」と反対の声を上げている。声を上げることができない戦没者の遺骨のために声を上げて下さい。

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