2021年11月19日 1699号

【1699号主張 岸田新政権との闘いスタート/命とくらしを守る社会へ】

岸田新政権が発足

 11月10日、第二次岸田政権が発足する。新政権は、グローバル資本のための経済政策と戦争政策に突き進もうとしている。

 看板の「新しい資本主義実現会議」には、経団連をはじめ財界3団体トップが顔をそろえる。その緊急提言で優先されるのは、まず「成長」であり「長期的に持続可能な資本主義をつくる」―つまりグローバル資本の利益を拡大し続けることだ。新たな投資先・利益確保の領域として、デジタル、グリーン(環境)、人工知能に関わる研究開発支援などが盛り込まれた。「分配」については、内部留保や資産を莫大に増やした大企業や富裕層への課税強化など一切触れることなく、賃上げした企業を税制上優遇するというものだ。

 コロナ対策では、市民の要求に押され病床確保や無料検査拡大、給付金等を打ち出すが、命を脅かす自宅療養=放置や病院削減の方針はそのまま。GoTo再開も大手旅行資本優先だ。

 また、軍事費「GDP2%以上も念頭」という大軍拡に踏み出す。辺野古新基地建設でも松野官房長官は11月6日、玉城沖縄県知事と会談。知事の建設中止要請に、あくまで新基地建設を続けると開き直った。

野党共闘強化で改憲阻む

 岸田首相は、衆院選後の記者会見で「憲法改正に精力的に取り組んでいく」と明言した。これに呼応して、日本維新の会の松井代表は、来年夏の参院選までに国会で憲法改定案をまとめ、参院選と同時に国民投票を実施すべきとした。自民党改憲案は、独裁的権力集中への緊急事態条項を創設し、自衛隊派兵と武力行使を合憲化する。自民・維新の改憲加速を許してはならない。

 改憲勢力に対峙(たいじ)してきたのは、市民の運動と野党共闘だ。今衆院選で、野党共闘候補は一本化した小選挙区の62区で勝利し、当選した自民候補のうち34人は次点との得票率の差が5ポイント以内だった。支配層にとって野党共闘は脅威なのだ。マスコミや連合らを使い「野党共闘は失敗」と大宣伝するのはそのためだ。

 築かれてきた野党共闘を解体させてはならない。地域から市民の運動を広げ、市民連合と野党が合意した共通政策をより多くの人びとに伝え、市民と野党の共闘をさらに強め発展させていくことが必要だ。

命守る中央要請行動

 同時に強調すべきは、軍拡・改憲・新自由主義路線の根本的転換を掲げ、社会の変革をめざすことだ。MDSは11月20〜23日に全国で集会を開催し、民主主義的社会主義への展望を示す。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、コロナ対策、医療・介護・労働者保護政策拡充などを求める11・26中央要請行動を呼びかけている。地域からの要求を岸田新政権に突きつけよう。

 (11月8日)
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