2021年12月17日 1703号

【南西諸島を断じて戦場にはさせない/沖縄平和運動センター顧問 山城博治さん】

 2004年に平和運動センター事務局長に就いた頃、すでに南西諸島の軍事化が始まっていた。沖縄県民が辺野古新基地に集中している陰で進む先島での基地建設。辺野古はダミーではないかとさえ思った。

 今思えば、辺野古は南西諸島の軍事基地のキーステーションとしてあった。水陸機動部隊第3連隊が配備され、島々の基地の司令部機能をはたすことになる。こうした日本の戦術の背後には米政府が存在している。

 バイデン政権の誕生後、台湾有事の報道が相次いでいる。台湾有事は即沖縄が戦場になることだ。岸防衛大臣は「中国は目立たないところで一歩ずつ侵略し」と危機を煽り、中山前防衛副大臣は「沖縄県民は事態を覚醒せよ」と語る。

 この日本の暴走の背景となっているのが4月の日米共同声明だ。「台湾有事の際に日米が積極的に連携する」と有事を煽っている。

 だが、日本政府は1972年の日中共同声明で台湾が中国の一部であるとの中国政府の立場を尊重することに合意した。忘れてはならない。右翼政治家を打倒し、戦争を止めなければならない。

 戦争を止める努力を戦場にされる沖縄がしなければならない。だが、今や沖縄犠牲論は成り立たない。横田や岩国からも米軍機が飛び立てば、日本中が戦場となる。米本土にもミサイルが届く。訪米団、訪中団を組織して、戦争ではなく友好関係を築くことをしたい。状況は変えられる。

(12月4日 沖縄集会)

 
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