2021年12月24日 1704号

【なか卯が解雇を撤回して「遺憾」表明/闘えば非正規労働者も理不尽な解雇を撤回できる】

 1年契約の更新を繰り返し5年にわたってなか卯梅田東店で働いていたアルバイト社員のAさんを、契約期間途中の昨年10月30日に株式会社なか卯が解雇した事件で、11月26日に画期的な勝利和解が大阪地裁で成立しました。

 この和解の中で、なか卯は「遺憾の意」を表明し、解雇を撤回し会社都合退職とし、解決金を支払うことを約束しました。「口外禁止条項」も和解金額にしかつきませんでした。この点も、なか卯にとっては、大幅な譲歩だったと思います。

 11月26日の裁判に引き続いて行われた和解の場には、A組合員の求めに応じて、A組合員に解雇を言い渡した管理職も同席しました。

 この管理職は、Aさんが夜勤勤務での引継ぎ方など職場改善の声を上げたことに対して、「職場の秩序を乱しまた風紀を乱した」として解雇を通告しました。しかし、自らが通告した解雇通知が会社によって撤回されたことを、目の前で突きつけられたのです。

 非正規労働者が、理不尽な解雇に声を上げて勝ち取った大きな勝利です。全国の非正規労働者に報告していきましょう。和解についてはNHKも報道しました。

 12月25日14時から、なか卯梅田東店近辺で報告宣伝行動を予定しています。

(なかまユニオン執行委員長・井手窪啓一)

引かずに闘って良かった

 私は2020年10月30日に上司の判断により即日解雇されてしまいました。その後、団体交渉等を行いましたが、会社側から不誠実な対応をされ、裁判にまで発展しました。その結果、復職までには到りませんでしたが、想定外の多額の解決金をいただくという形で終わる予定になりました。

 簡単に言えば、会社側は非を認めたくないがそうせざるを得ない状況だったと考えさせた、と私は思います。今回私は引かずに闘って良かったと思います。

 私と同じように苦しんでいる労働者にも自分がまず間違っていないのなら、負けずに闘ってほしいと言えるような争議だったと私は思いました。

(なかまユニオン組合員・A)

和解条項(要旨)
1 原告と被告は、雇用契約が2020年10月30日付けで被告の都合により終了したことを相互に確認する。
2 被告は原告に対し本件に関して遺憾の意を述べる。
3 被告は原告に対し解決金として〇円の支払義務があることを認める。
4 被告は、前項の金員を2021年12月15日限り、原告指定の口座に振り込む方法により支払う。
5 原告、被告及び利害関係人(なかまユニオン)は、和解金額について正当な理由なく第三者に開示しない。
6 原告はその余の請求を放棄する。
7 原告、被告及び利害関係人は、和解条項に定めるもののほか、債権債務がないことを相互に確認する。
8 訴訟費用は各自の負担とする。

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