2021年12月24日 1704号

【福島原発事故は終わっていない/最高裁署名・被災者支援運動を広げよう/ZENKO反原発全国のつどい】

 12月12日、ZENKO反原発実行委員会主催「原発事故の責任と被害者への補償を求める全国のつどい」が大阪・東京会場と全国をオンラインで結んで開催された。主催者を代表して小山潔さんが(1)原発損害賠償訴訟(2)原発被害を消し去る動きと被害者支援運動(3)汚染水・原発再稼動―について基調報告と来年3・11に向けた行動方針を提起した。

 原発損害賠償訴訟・群馬原告団の丹治杉江さんは「国・福島県の金まみれの復興は、被災者にとっては絶望。帰還困難区域は東京23区の半分、16万8千人の避難者の内8万人超が戻っていない」と指摘。国の責任を免罪した東京高裁裁判官の不勉強、過酷な避難生活・健康被害の中の救済打ち切りを告発する。最高裁を署名と世論で動かし、司法による全面救済を求めた。

 福島原発かながわ訴訟原告団団長の村田弘さんは「当面の課題は、東京電力の責任を厳しく断罪した仙台高裁判決を確定させ、東電の“払い過ぎ”(弁済の抗弁)の主張の大元を絶ち、まず東電に解決を迫る。次に、国の責任の判断を伴った4件について最高裁判決を確定させ、全面救済へつなげる」と提起した。

 原発避難者の住宅追い出しを許さない会代表の熊本美禰子さんは「国家公務員宿舎居住の区域外避難者45世帯の内、福島県とセーフティネット契約を結んでいない世帯を追い出す権限が福島県にあるのか」と争点を紹介。「日本政府が国連の国内避難民人権調査の申し込みを3年間放置している現状について、参議院で立憲民主党・青木愛議員が質問。岸田首相はコロナの不確定要素を織り込みつつ『検討している』と述べ、避難生活が長期化、多様化する中『丁寧な支援』と回答。調査を実現し、福島県の追い出しが国際人権法に違反することを明らかにしたい」と決意を語った。

 オンラインで各地の取り組みが報告される。千葉県原発訴訟の原告と家族を支援する会は「100万署名実行委員会を結成し、労組回りに動きだしている」。原発賠償京都訴訟原告団共同代表・福島敦子さんは「黒い雨裁判原告勝利で始まった健康手帳交付に学び医療費減免を」。福島原発事故被害救済九州訴訟原告の内藤哲さんは「10年目にして第2陣が提訴。第1陣の福岡高裁控訴審とともに闘う」。関電前プロジェクト、阪神放射能測定所も取り組みを報告した。

 最後に、(1)原発損害賠償訴訟・最高裁公正判決署名を集めよう(2)各地の高裁地裁で闘われる原発被害者の裁判を支援しよう(3)「原発避難者の住宅追い出しを許さない会」に加入し、裁判当事者を支援しよう(4)汚染水放出と老朽原発再稼動に反対する署名を取り組もう(5)来年の全国各地の3・11行動に参加しよう―と行動提起された。

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