2022年06月17日 1727号

【運動は第2ステージへ/主権者のネットワークが政治を変える/カジノ住民投票をもとめる会記者会見】

 「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」が6月6日、大阪府庁で記者会見を開いた。3月25日から約2か月間取り組んだ住民投票条例制定直接署名運動の成果を示し、住民投票実現にむけた「第2ステージ」への決意を語った。会見には共同代表の中野雅司さん、大垣さなゑさん、西澤信善さんと事務局長山川義保さんが揃った。

 集まった署名は6月5日の集計で20万8552筆。6日、72市区町村の選挙管理委員会への提出が終わる。有効署名数は、各選管の審査や異議申し立ての手続きを経て、7月初旬までには確定する見込みだ。

 山川さんは「法定数を6万筆以上上回る」と大幅達成できた喜びを報告した。「大阪府全域で直接請求署名に取り組んだのは45年ぶり。今回、受任者の数がつかめないほど、自主的に署名を集めた人びとが出た」と運動の広がりが何よりの成果だとまとめた。

 大垣さんは「府・市議会でカジノが決まってもまだなにかやれる。諦めていた人を巻き込む運動が出来た」と閉塞感に風穴を開けた手ごたえを口にし、「組織や団体の指示ではなく、個人から個人へと運動が広がった」と組織の枠組みを越える運動になったことを強調した 中野さん、西澤さんも異口同音にカジノのでたらめな実態、維新のごまかしを暴く機会となった署名運動の意義に触れた。

 次は、条例制定、投票実施で民意を示す段階に進む。「維新が過半数を占める府議会だが」との記者からの質問に、山川さんは「大阪全域43市町村で、法定数前後の署名を集めた。各議会に対し住民投票実施の意見書を採択させる運動など新しい運動の中で地域が変わっていく」と応えた。

 政党や組織の数の論理では測れない地域変革の力をこの署名運動が作り出したことが自信になっている。地域に受任者などの会ができ、見知らぬ同士だった人びとがつながり「街づくり」の会話へと発展する例が生まれている。

 カジノ阻止への第2ステージ。20万人を超える人びとのネットワークをつくり「新しい大阪を作る知恵と力」を活かす闘いが続く。

(6面に関連投稿

72市区町村で20万筆突破を担った担当者が一堂に。白熱した論議で直接請求署名の6月6日本提出を決定し、住民投票実現へ第2ステージの運動拡大を誓った(6月2日・大阪市)。
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