2022年07月08日 1730号

【極右路線を鮮明にする「維新」/「大阪の実績」とはコロナ死多発】

 日本維新の会が改憲と大軍拡を扇動しまくっている。松井一郎代表の言葉を借りれば、「自民の尻を叩く」ことが維新の存在意義と思っているのだろう。

 参院選の公約をみると、▽「専守防衛」の見直し▽米国の核兵器を日本に配備し運用する「核共有」の議論の開始▽中距離ミサイルの配備など、自民党を上回る軍拡メニューが並んでいる。討論番組や街頭演説における松井代表の発言をみても、自民の上を行こうとする姿勢が目立つ。

 たとえば、仙台市での街頭演説(6/19)では「昭和のままの考え方だから、原潜を否定することになる」と岸田文雄首相を揶揄し、原子力潜水艦の保有を重ねて主張した。改憲問題でも「来年の統一地方選挙にあわせて、憲法改正をやっていくんだという考えをお持ちか」と首相に迫った(6/18ネット党首討論)。

 きわめつきは、被爆地・長崎市での街頭演説(6/11)で「抑止力を持たないといけない。アレルギーはあるかもしれないが、タブーなき議論が必要だ」と述べ、核武装の必要性を訴えたことである。大阪のイメージを地に落とす戦争ゴロツキというほかない。

 そんな維新は「大阪でやっている改革を全国に広げる」をキャッチフレーズにしている。「大阪でできたことは全国でもできる」のだそうだ。恐ろしい話である。人口あたりのコロナ死者数で全国ワーストを記録した大阪の惨状を日本中に広げるというのだから。

 維新が進めた公的医療機関の廃止・再統合、予算削減や大幅な人員削減は度重なる医療崩壊を引き起こし、救えたはずの命を救えないという悲惨な現象をもたらした。連中が標榜する「身を切る改革」の正体は明白であろう。それは「人びとの命と安全を切り捨てる」ことである。   (O)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS