2022年07月15日 1731号

【カジノ住民投票/20万筆の力で条例制定へ 制約のりこえ法定数達成/社会の在り方を考える機会にも/大阪府箕面(みのお)市】

 私たちは「池田・豊中・箕面の会」の一員として、3市の市民がお互いの地域に応援に行くなど活動をともにした。箕面ではボランティアの数が少なく、署名期間の序盤には池田・豊中メンバーに支えられ、その中でもMDS同志のリーダーシップは欠かせなかった。

 中盤からは各市の単独行動が始まった。スーパー前の街頭署名に取り組むチームと、市民団体や政党を通して受任者集めに取り組むメンバーに分かれた。街頭では、受任者2人と音源用のスピーカーだけ、と少し寂しい日もあった。それでも、多くの人が快く署名し、「カジノは絶対あかん!」と応援してくれた。

 終盤には、街頭活動に参加してくれる受任者の数も徐々に増え、「ネットで見ました!」と駆けつける方も多くなった。この運動の広がりを感じた。最終的には法定数の2235を十分に超え、有効署名を2426筆集めることに成功した!

 街頭に立って気づいたことが二つある。一つ目は、どれほど市民がカジノ計画について知らないかということだ。もちろん、市民のせいではない。吉村知事、松井市長、そしてカジノ事業者が市民に伝えないからだ。カジノ計画について「なんでこんなことするんやろ?」という疑問をよく聞いた。莫大な税金が使われると知らない人も多かった。医療・教育・介護などを削減しているなかで、なぜ大企業の儲けのために私たちの税金を使うのか? 税金はどうやって使うべきか? こういった会話から、カジノだけではなく、社会の在り方について市民と一緒に考える機会を作れた。

市民参加妨げる現行制度

 二つ目に気づいたことは、民主主義の問題だ。署名簿はわかりづらい。受任者にはなりづらい。署名期間はたったの2か月。そもそも、なぜ大阪府全体を対象としているのに、各市区町村ごとでしか署名を集められないのか? 民主主義の問題が山ほどあるアメリカでも、住民投票を実施するためにこれほどのハードルはない。住民投票とは、私たち市民が直接政治に参加できる手段であり、本来はもっと簡単にできるべきだ。現在の制度は、住民投票を市民の力では行えないようにしているとしか考えられない。この非民主的な制度は引き続き問題にする必要がある。

 しかし、そんな中でも私たちは20万を超える署名を集め、誰もできると思っていなかったことを達成できた。住民投票実施を強く要求し、市民の力でカジノ計画を止めよう!

(箕面市在住 MDS大阪 ニック・ワトキンス)

  
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS