2022年07月22日 1732号

【1732号主張 参院選 「沖縄を戦場にするな」と伊波さん当選 この力を9月玉城知事再選へ】

 7月10日投開票された参院選結果は、自公が改選前69議席から76議席に増やし、維新、国民民主の改憲勢力を合わせると参院全体で177議席となり、改憲発議に必要な3分の2を超えた。ただ、維新は京都、東京で議席を獲得できず全国政党に飛躍はできなかった。

 野党は32の1人区では青森、山形、長野、沖縄の勝利にとどまり、自民党が28議席を獲得した。野党共闘不成立の直接的結果である。

 なぜこのように改憲勢力を増やす結果となったのか。

 朝日新聞出口調査では物価高も投票先に影響していない。市民の間にあるのはウクライナ戦争、対中戦争への危機意識だ。情勢への不安感の中で、無意識のうちに軍事力強化賛同に意識を変えられている。その上、投票日直前の安倍殺害事件は市民に不安を強く抱かせた。野党が変革への展望を明確に示すことができない中で、改憲勢力を増やすことになったのである。

変革への展望は

 しかし、この参院選の中で変革の展望を見いだせる結果がいくつかある。

 まず沖縄における伊波洋一さんの当選である。

 伊波さんは27万4235票を獲得し、自公の古謝玄太候補に2888票差で勝利した。自公があらゆる手段をつくして参院選勝利から知事選勝利へと進めようとすることにストップをかけた。伊波さんは「二度と沖縄を戦場にさせない」と明確に訴え、対中戦争準備を否定し闘った。伊波さんは「沖縄の民意の勝利だ。再び国会へ行き、辺野古新基地はノーだと訴える。日米政府に民意を認めさせ、辺野古を断念させる」と力強く語っている。

 また、MDSが支持した福島みずほさん(全国比例区、社民党)が当選し、同時に社民党は得票率2・4%を確保し政党要件を維持した。私たちはチラシまき、ポスター張り、電話かけなどで選挙を闘った。憲法9条を守り市民生活を守ることを訴え福島さんは当選した。共闘が成立しない選挙区では共産党を支持して闘い、東京選挙区で山添拓さんが当選した。

 さらにカジノ住民投票署名を展開した大阪では並行して大阪市会城東区補欠選挙が闘われ、直接請求を担った山川よしやすさんが過去の3倍近い票を獲得した。維新公明の厚い地盤の中で新たに票を掘り起こしたのが直接請求運動の成果だったことを改めて示した。

改憲攻撃への回答

 改憲勢力は急ピッチで改憲を進めようとする。これに対し、伊波さん勝利の上に立ち、9月沖縄知事選で玉城知事を再選させなければならない。これが現在の改憲・軍拡路線との闘いの中心である。その過程で改憲を阻止する力として市民と野党の共闘を再構築しなければならない。辺野古新基地を阻止し、東アジアの平和をつくり出すことこそ、改憲攻撃への私たちの回答である。

 (7月11日)
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