2022年07月22日 1732号

【明日をつくるなかまユニオン<第8回>/たとえ職場は違っても同じ組合員/交流で元気になるユニオンカフェ】

 なかまユニオンは、1998年9月結成。7月2日の定期大会から、第25期の活動をスタートさせた。職場や職種を越え、個人でも加盟できる労働組合なので、組合員同士の交流を進めるために小グループの活動にも力を入れている。新たな企画である『ユニオン・カフェ』の取り組みを、井手窪啓一執行委員長に寄せてもらった。

 5月28日14時、29日10時、14時の3枠で、『ユニオン・カフェ』を組合事務所で開催しました。

 組合員が気楽に事務所へ立ち寄って交流することと、できれば「組合へ入ろうか、入るまいか」と迷っている人にも組合の雰囲気をじかに知ってもらうことをめざして企画したものです。

 普段は、機能性を追求している事務所ですが、この日は参加者にリラックスしてもらえるように、長机にはテーブルクロスを敷き、本棚やレターケースにはレースを掛け、BGMも流しました。さらに、インドで修行したという組合員が、本場仕込みのチャイとカレーを差し入れてくれました。

 『ユニオン・カフェ』の内容は、参加する組合員によって柔軟に変えようということで、なかまユニオンの組合員の動画や学習的な動画をいくつか用意し、自己紹介↓動画↓交流という大まかな流れだけを決めておきました。

 1日目は、社労士分会が組合ニュースや団交申し入れ書の原案を持ち込み、職場の状況を紹介してもらいながら、ニュースの内容を練り上げていきました。

 ニュース作成は初めてという若い組合員が作った案は、「ニュース」の文字もなく、見出しは書類そのものでした。

 「何を伝えたいニュースかわからない」「見出しは、週刊誌や夕刊フジのように」など、ワイワイ言い合う中で、その組合員もイメージが湧いたようでした。

交流で元気に

 2日目は、無期雇用に転換されたけれど、身分はまだ「契約社員」のままのシングルマザーと、長年職場のいじめを受けて休職中という女性の組合員が来てくれました。

 休職中の女性は、「私が、この会社で育児休暇を取った第1号だった」と、働きながら子育てする中で舐(な)めてきた辛酸を話してくれました。現在は、会社が吸収合併され、吸収された側の社員として、また、正社員から非正規労働者までの細かい身分差別と分断で、苦しんでいます。

 シングルマザーの組合員は現在、小学校低学年の子どもを育てるために2時間の時短勤務中ですが、男性管理職との“働き方の違い”に苦しんでいます。

 組合員が、短い労働時間でいかに効率良く働くかを考えているのに対して、男性管理職は「毎日2時間、3時間残業しているんやで」と「労働=長時間働くこと」という価値観から脱却できず、時短勤務における密度の濃い働き方を全く理解しようとしません。

 加えて、無期雇用になったとはいえ、非正規雇用としての差別的な労働条件は押しつけられたままです。

 いずれも、すぐに解決できる問題ではありませんが、普段、一人職場に点在している組合員が、顔を合わせて交流できたことに大きな意味がありました。組合員が、少しでも元気になれたのではないかと思います。

 これからも『ユニオン・カフェ』を継続して設定していきたいと思います。

(なかまユニオン執行委員長・井手窪啓一)





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