2022年07月29日 1733号

【「二度と沖縄を戦場にしてはならない」/6・22「月桃」歌碑除幕式】

慰霊の日の前日に

 沖縄県西原町の復帰50年の記念事業として「月桃」歌碑建設除幕式が行われました。うだるような暑さの中、参加者は200人。私たちジュゴン保護キャンペーンセンターは10人が参列しました。本部石に刻まれた「月桃」歌碑の大きさは横4・97b、高さ2・43b、厚さ1・45b。重量は約26d。歌詞が6番まで刻まれ、スイッチを押せば歌が流れ出す。歌碑の横に海勢頭(うみせど)豊(作詞作曲)さんのプロフィール(石碑)が置かれている。県内外からの寄付1815件1371万円で建設されました。

 西原運動公園内「夕陽の広場」に建設された「月桃」歌碑からは激戦地であった西原町運玉森(うんたまむい)と糸満市摩文仁(まぶに)が同じ方角に望むことができます。新里米吉実行委員長は「沖縄戦の体験者が少なくなる中で、歌『月桃』が歌い継がれることを期待したい」と、亡くなった半数近くの住民を偲びました。そして、地元の坂田小学校音楽部16人が「月桃」を力強く合唱して、全世界の平和への思いを歌い上げました。

「恒久平和歌い継ぐ」

 翌日の慰霊の日、地元放送局や新聞は「月桃」歌碑除幕式を大きく報道しました。NHKは除幕式に向けた坂田小学校音楽部の練習風景と海勢頭さんが小学生に「月桃」にかける思いを紹介しました。慰霊の日に、街頭インタビューで若者が「月桃」を口ずさむ姿を数多く映し出していました。

 海勢頭さんは語ります。

 「『月桃』を制作して40年。激戦地南部に点在する一家全滅の屋敷跡に咲く月桃を見てメロディと歌詞が生まれ、『月桃』ができた。それがいつのまにか沖縄の各学校で歌われるようになり、さらには映画『GAMA―月桃の花』の主題歌として全国の中学生高校生が歌うようになり、今は亡き筑紫哲也の『ニュース23』のエンディングテーマで半年間も流れて、歌は勝手に広がっていた」

 続けて、ロシアのウクライナ侵略や米国の軍産複合体を批判。「戦争をする愚かな大人たちを告発する歌になっていけばよい。子ども達が元気に歌い上げて平和に繋げられるように、明るいメロディにしました」

 いわゆる南西諸島(馬毛島<まげしま>、奄美から与那国まで)に米国の対中国軍事戦略としてミサイル基地建設が進められています。「軍事ではなく外交で」、平和をつくるのは政治です。日中国交回復から50年。50年間の外交努力をさらに積み上げよう。9月県知事選挙で勝利し、辺野古新基地建設阻止、ミサイル基地化を阻止しよう。

(ジュゴン保護キャンペーンセンター共同代表・蜷川義章)



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