2022年08月05日 1734号

【2022ZENKOin大阪 内外の参加者とともに/市民の闘いで改憲止め社会を変える】

 第52回平和と民主主義をめざす全国交歓会(全交)―2022ZENKOin大阪が7月22〜24日、開催された。改憲、軍拡、新自由主義の攻撃をはねかえす力は市民の闘いにあることを確認した。大阪をメイン会場に、東京など各地会場と米国、韓国、フィリピン、沖縄をオンラインでつなぎ、3日間のべ900人超が参加した。招請者の発言を紹介する(まとめは編集部、3〜6面に関連記事)。


変革の展望を切り拓く MDS委員長 佐藤和義さん

 参院選では自・公・維新などの改憲勢力が3分の2以上をとった。そして岸田政権は、銃撃されて死亡した安倍元首相の国葬を通して国民統合をし、改憲に突き進もうとたくらんでいる。しかし変革の展望はある。

 まず、沖縄選挙区における伊波洋一候補の当選だ。オール沖縄が敗北を重ねる中、自民党の候補者は今回、辺野古新基地建設容認を初めて打ち出した。参院選そして秋の知事選で勝ち、一気に琉球弧の軍事要塞化=対中国包囲網の構築に突き進もうとしていた。頓挫に追い込んだのは「沖縄を再び戦場にするな」という世論の力である。

 大阪では「カジノ住民投票を求める署名」が大きく広がり、熱気にあふれる運動で成功を収めた。維新が支配する中で「展望はあるのか」という不安感が私たちの中にもあったけれども、それを突破した。参加した方々は「やってよかった」「こんなに楽しい運動はない」と語っている。

 本当に社会を変えていく、情勢を変えていくとはこういうことだと思う。闘えば展望は切り拓けるというのが、今日の情勢に対する私たちの回答だ。社会変革、民主主義的社会主義の実現をめざして闘う。


安倍政治礼賛を許さない 社民党参院議員/福島みずほさん

 参院選、全力で応援し国会に戻していただいた。心から感謝している。

 「がんこに平和、くらしが一番」を訴え、闘った。新自由主義からの転換、非正規雇用への歯止め、最低賃金1500円をめざす。

 改憲勢力が3分の2以上を占めた。自民党改憲草案はカルト憲法とも言うべき代物。戦争のできる国、防衛予算11兆円、敵基地攻撃能力などとんでもない。

 安倍元首相の国葬に反対する。国葬令が1947年に廃止されたのは、法の下の平等や思想・良心の自由を侵害するからだ。国葬をきっかけとする安倍政治礼賛、9条改憲への政治利用を許してはならない。

 自民党と統一教会などとの関係があぶり出されてきた。選択的夫婦別姓や同性婚、LGBT差別解消法や人権救済法―さまざまな人権に関する法律が作れない現状は、ここに由来する。

 腰を低くし、たくさんの人に伝わるようにし、政治を変えていきたい。

 行政交渉や資料要求、何でもやるので、声をかけてほしい。


日本共産党参院議員 山添拓さん

 全交の皆さまをはじめ政治的立場を超えて多くの方に支えられ、2期目に送り出していただいた。

 選挙中に安倍元首相が銃撃され亡くなった。暴力で言論を封じることは許されないが、安倍氏の政治姿勢について国民の中で大きく評価が分かれる以上、「国葬」で国家として賛美・礼賛し、国民に弔意を事実上強制することも許されない。旧統一教会と自民党との関係も解明が必要だ。

 ウクライナ危機に乗じて大軍拡、9条改憲が狙われている。憲法改悪を許さない一点で広く力を合わせる決意だ。

市民とともに地域変革 大阪府茨木市議 山本よし子さん

 まだ夏も始まったばかりなのに、みなさんの顔は真っ黒です。それは3月からのカジノ住民投票署名運動、参院選とみなさんが本当に闘ってきた証拠です。

 住民投票署名の成功を喜び合いたい。茨木は市民運動が活発ではなかったのでとても不安でしたが、6112筆。私を支えてくれた「憲法いかそう茨木市民の会」ら市民が動いたのです。

 来年春には統一地方選が闘われます。引き続くご支援をお願いします。


東京都足立区議 土屋のりこさん

 大阪カジノ住民投票署名の勝利は、自前の運動をつくり、地域を変えていくことに展望があることを示していると思います。

 私は足立区で、地域の中にセーフティーネットをつくることを目指してきました。人としての生存条件を勝ち取る闘いを前進させ、私たちの手で切り開いていきました。全交大会で、自ら闘うひとりとして、明日からの闘う方針をみんなで練り上げていきましょう。


東京都日野市議 有賀精一さん

 2月市議選では全交の皆さまからご支援をいただきありがとうございました。

 さて、市民が提訴した「ごみ収集車専用道路設置のための公金支出は違法」とした裁判。地裁、高裁と市民は勝利しました。日野市は最高裁に上告していますが、最高裁が不受理とすれば日野市政は混沌とします。私たちは「クリーンなまち日野をつくる会」の皆さまとともに市政の刷新に向けて前進する決意です。


権利・人権を守り抜く 全日建連帯労組関西生コン支部 武洋一副委員長

 関生支部への弾圧は皆さんご存じだと思うが、私は言い続けたい。なぜストライキが犯罪になるのか。労働組合がその会社にあろうがなかろうが、集団交渉をして賃上げや労働条件の向上を勝ち取るのは、産業別労働組合として当然のことだ。戦争に反対する、労働者の権利を守る、産業民主化を図る、原発に反対する―そうした労働組合を根こそぎ潰そうとする動きには断固として闘い抜く。


大阪朝鮮中高級学校オモニ会会長 リャン・スッチャさん(同顧問ヒョン・スネさん代読)

 安倍元首相銃撃事件から数日間、朝鮮学校の先生と親は登下校に付き添い、子どもたちを守った。事件直後からネット上に「犯人は在日韓国・朝鮮人」といった根拠のないデマが飛び交っていたからだ。関東大震災時の朝鮮人大虐殺が頭をよぎった。虐殺から99年たった今日でも、植民地統治時代をほうふつさせる差別や迫害が行われている。その事実を知ってほしい。

正念場の原発賠償訴訟 福島原発かながわ訴訟原告団長 村田弘さん

 原発賠償訴訟をめぐって大きな節目が訪れています。

 6月17日に最高裁が4訴訟について、国が対策を命じていたとしても津波が想定外で事故は防げなかったから国に責任はない、というとんでもない判決(多数意見)を下しました。「第2判決」とも言える反対意見が付いていました。

 その1か月足らず後に、東京地裁で株主代表訴訟の判決が出ました。4人の旧経営陣に13兆円余りの賠償金を払えという内容。先の最高裁判決の論拠を根底から覆し、水密化等の措置で事故は防げたとしました。

 私たち後続の裁判では、反対意見と株主代表訴訟判決をもとに、最高裁判決を覆して当たり前の判決を引き出すことに注力します。

 子ども甲状腺がん裁判、住宅追い出し裁判―被害の現場からの闘いにも連帯を。


国際連帯で戦争を終わらせる イラク労働者共産党書記長 サミール・アディルさん

 ウクライナ戦争は、国際法のためでも、民主主義のためでも、主権や独立の尊重のためでもありません。この戦争は、経済的政治的覇権獲得のためにヨーロッパと世界における政治的線引きを明確にするものです。

 ほとんどのNATO諸国は何十億ドルもの資金をつぎ込んでウクライナの戦火を煽っています。農業を育てて生活水準を上げたり、アフリカや南米の子どもや女性のために支出したり、コロナに対するワクチンやエイズ、がんなど病気をなくすために薬を提供している国はありません。日本も、帝国主義国家の野心を強調する機会として、この地域の軍事に参加しています。

 イラクでは、貧困や困窮が深刻化しています。汚職が広がり新自由主義が進められているからです。

 人類を戦争の危険にさらす軍国主義化のすべての疑惑を明らかにしましょう。世界は安全でなくなり、社会主義の視点のもとで連帯を構築するために努力する以外の選択肢はありません。

 戦争を終わらせる世界の市民の連帯を。


フィリピン・マパラドカ(戦争と貧困に反対する市民連合) ポール・ガランさん

 フィリピンの貧しい人びとは、新型コロナに対応する公的医療センターがなく、多くの被害を受けました。しかし、ドゥテルテ前政権は、警察や軍に多くの資金を費やしてきました。

 今年5月の大統領選挙に向け、政権は多くの政府資金をばらまき、フィリピンの歴史を書き換えるマルコス一族が一体となり、彼らはフェイクニュースの力で当選(大統領マルコス・ジュニア、副大統領サラ・ドゥテルテ)。しかし、1400万人が、対抗したレニ・ロブレドに投票し、不正と闘う姿を示しました。

 来年3月は、「AKCDF(アバカダカユマンギ地域発展基金)『Every Child is My Child』連帯運動」35周年。「子どもと共に歩む平和と連帯の集い」にぜひご参加ください。

 正義、平和、貧困からの解放の精神に基づきマパラドカは、今すぐ戦争を止めろ!という国際連帯の呼びかけに参加します。ロシアのウクライナ侵略にNO! 辺野古への米軍基地建設にNO! 中国の西フィリピン海軍事支配にNO! 世界の闘う人びと万歳!





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