2022年08月05日 1734号

【「社会が進めば司法も進む」 「日の丸・君が代」で全国から交流・デモ 安倍「国葬」に反対する】

 7月17日、第12回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会(同実行委員会主催)が大阪市内で開催された。オンライン参加も含め約120人が集った。

 午前の記念講演は、スリランカ人ウィシュマさんの名古屋入管死亡事件の弁護団長も務める空野佳弘弁護士。「もっとも傷つけられやすい人権、思想・良心の自由、そして外国人の人権」と題し、戦前、内心の自由そのものが侵害された反省から憲法条文として明記した経緯と意味を語った。

 「日の丸・君が代」訴訟については、最高裁判決が起立斉唱行為を「慣例上の儀礼的所作」などでごまかしてきた矛盾を暴く。韓国の良心的兵役拒否を認めた憲法裁判所判決も紹介し、「その人がその人ではいられなくなることを強制することを禁止することが大切ではないか」と鋭く指摘。ウィシュマさん裁判も例に、「司法は社会の後を進むが、社会が進めば司法も進まざるを得ない。闘い続けることには大きな意味がある」とまとめた。

維新支配をくつがえす

 午後は、各地の闘いが語られる。東京「君が代」第5次訴訟(原告15人)や、神奈川で菅前首相の高校講演を中止させた取り組み、東京・杉並区長選勝利「杉並新時代〜草の根から世界は変わる!」の報告は、粘り強い闘いの重要性を改めて示し、参加者を励ます。

 元大阪府立高校教員・梅原聡さんの「再任用拒否は違法」の高裁判決は6月最高裁で確定した。この勝訴は、大阪の維新支配に大きな楔を打つ画期的なものだ。「『君が代』調教裁判」原告・松田幹雄さんは、条例や通知による教職員への「君が代」強制は子どもへの人権侵害、学ぶ権利の侵害として子どもの権利条約、国際人権自由権規約を根拠に闘っている。国際法に照らすことで、条例(同一内容処分3回で免職)など脅しで服従させようとする維新支配をくつがえしていく意義を強調。次回8月22日口頭弁論(本人尋問)への傍聴・支援を訴えた。

 愛知や宮城、福岡など、文字通り全国から草の根の闘いの報告が続く。

 民主主義の破壊、改憲、戦争への動きを止める広範な闘いの輪を作る大切さを確認、急きょ安倍元首相「国葬」の危険な動きへの批判を加え、参加者一同で決議。8月30日文科省交渉も行動提起され、デモ行進で市民にアピールした。

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