2022年08月26日 1736号

【2022ヤスクニキャンドル行動/ペロシ訪台―軍事緊張激化に危機感/沖縄戦の教訓はどこにいったのか】

 8月6日、オンライン開催された「2022平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」のテーマは「命どぅ宝から考える『祖国防衛』の虚構と東アジアの平和」。シンポジウムでパネリストらは、4日前のペロシ米下院議長の台湾訪問に伴う軍事的緊張の高まりに危機感を表明した。

 東京大学名誉教授の高橋哲哉さんは「昨年、『台湾有事は日本有事、日米同盟の有事』と言ったのは安倍氏。彼らはいまだに台湾は日本の一部と思っているのではないか。台湾に最も近い沖縄は真っ先にミサイル攻撃の標的になる。ミサイルによる『鉄の暴風』、第二の沖縄戦を許すわけにはいかない」と強調する。

 「ペロシ訪台をきっかけに米中の覇権争いが加速。尹(ユン)政権はまだ明確な政策を持っていないが、バイデン政権は韓国に『台湾海峡のどちら側に立つのか』と圧力をかけてくるだろう」と見るのは、韓国・聖公会大学教授の金東椿(キムドンチュン)さん。

 台湾大学の邱士杰(チウシチエ)さんは「海峡両岸が米国の挑発により戦争の崖っぷちにさしかかっているのに、台湾ではどの政治勢力も米国の台湾利用に反対の声を上げていない。台湾人民は決して米日の画策による“戦争の捨て駒”になってはならない」と警鐘を鳴らす。

 沖縄国際大学名誉教授の石原昌家さんは「いま南西諸島一帯では、ウクライナのような実戦がいつ勃発しても不思議でない、尋常でない日米軍事演習が続いている。沖縄県知事が災害対応を名目に米軍に有事訓練を要請、と報じられた。驚天動地だ」とし、質問に答えて「無防備都市宣言しかない。軍と民を分離することでしか沖縄が生きる道はない。私としては希望は持っている」と述べた。

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