2022年09月02日 1737号

【2022ZENKO介護保険分科会/2024年度(第9期)介護保険制度改悪を許さない/改悪反対署名を呼びかける】

 7月24日、2022ZENKOの介護問題分科会は、「介護保険制度は破綻している 公的介護保障へ転換を」をテーマに開催された。

 政府は、2024年度の第9期介護保険制度改定に向けてさらなる改悪を狙っている。その内容は、(1)ケアマネージャーがつくるケアプランの有料化(現状は利用者負担なし)(2)「要介護度1・2」の介護サービスを介護保険から除外(3)介護サービスの利用者負担に原則2割負担を導入(現状は原則1割負担)―等だ。

 分科会では、介護現場から3本のレポートが提出された。

 デイサービスでは、利用者本人の状態が変わらないのに介護度が下げられたケースが紹介された。そのため週2回のデイサービスが1回しか利用できず心身の機能低下が進んだため、今は空きが出たときに自費(10割負担)で追加の利用をしているという報告だ。

 ケアマネージャー(以下「ケアマネ」)は、介護保険料が払えず介護サービスの利用料が10割負担のペナルティを課されている利用者の例を報告した。10割負担などとても払えないため、持病のある80代の夫が「要介護5」の80代の妻を介護している悲惨な状況が語られた。ケアマネの関わりにも10割の利用料負担が生じるため、ケアマネは無報酬で関わりを続けているが、所属の事業所からは関わりを断つように迫られていると苦しい胸の内を明かした。

尊厳ある介護への苦闘

 小規模多機能ホームからは、「要介護1・2」の利用者にとっていかに介護サービスが必要であるか、また、今でも十分なサービスを受けることができない現状が実例を通じて報告された。そのような状況でも職員は尊厳ある介護≠めざして奮闘している様子がリアルに伝わってきた。

 参加者は、現場で起きている具体的な話を聞き、政府が目指している方向がさらに介護崩壊、介護破綻に拍車をかける動きであることを確認した。秋以降、介護保険制度改悪の国の動きがさらに活発化する。これに対し、新署名「要介護者を切り捨てる介護保険改悪反対の署名」を介護関係者だけでなく、SNSも含め広範な市民に呼びかけ、集めていく。その必要性を大いに感じ、決意を新たにした分科会だった。

(平和で豊かな枚方(ひらかた)を市民みんなでつくる会・松田久子)

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