2022年09月02日 1737号

【議会を変える市民と変える/東京都日野市議 有賀精一/小学生を自衛隊駐屯地に!?】

 日野市は広報ひの7月号に「夏休み小学生集まれ!!わくわく学習術」というイベントを掲載。その中に「自衛隊のことを学びましょう!(会場―陸上自衛隊立川駐屯地)」との記述がありました。

 市民の方からも連絡が入り問い合わせ先の中央公民館に問い合わせると、災害救助について話を聞くとの回答。広報にそんなことは書かれていません。災害救助のことなら消防署などから学ぶのがしかるべきところではないのか。企画そのものに問題があり、抗議も含めて以降対応することを伝えました。

 6月末の「日野・市民自治の町をめざす会」定例会でも論議し、会員の皆さんが自発的に抗議の電話を公民館などにかけました。参議院選挙後の7月12日に会として市長公室に質問と当該企画の中止を求める要請を行い、私も同行。市長公室長と参事が応対しました。

 今回の企画の掲載に問題があることは明らかです。

 市民が文面を見たら、いわゆる防衛・軍事に関する自衛隊の活動を勉強すると理解される可能性が大です。小学生にこのような内容のイベントを呼びかけることが適切なことなのか。市民から批判されても致し方ないでしょう。

 公民館自身も掲載記事に問題があったことを認めているにもかかわらず、広報記事の訂正を市民に知らせる対応すら半月にわたり行ってこなかったことも指摘し、ホームページを使った訂正を迫りました。同時に、企画がつくられたプロセスや広報掲載にあたり事前のチェックが行われたのかも問題にしました。具体的な回答はなく、問題が起こったことのお詫びに終始するという対応。公民館や教育委員会へ直接の説明の場を設けること、イベントの中止を要請し、交渉を終えました。

 翌日、市のホームページトップに訂正をアップしたものの、直接説明の場を設けることはその後拒否。市民からの抗議は継続されましたがイベントは実施され、10名の小学生が参加したそうです。

 日野市には1名の退職自衛官が在職していることがわかっています。今回のようなイベント企画は東京都多摩地域26市の自治体でも初めてのこと。これを既成事実にして他の自治体へ広げる狙いがあるのではないでしょうか。

 今後も会として問題を曖昧にさせず、事実経過の開示を求め、市へ申し入れを続けていく予定です。
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