2022年09月02日 1737号

【大阪カジノ誘致の白紙撤回へ/夢洲IR差し止め訴訟も/カジノ中止の闘いを全国から】

 8月20日、大阪市内で「カジノ誘致白紙撤回に向け 横浜の経験に学ぶ 夢洲(ゆめしま)IR差し止め訴訟決起学習会」が夢洲IR差し止め訴訟原告団・弁護団と「住民投票をもとめる会」の共催で行われた。

条例否決でも撤回の横浜

 横浜市の大川隆司弁護士と全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会代表の新里宏二弁護士がリモートで講演。

 横浜市では、IR事業者に対する市有地の貸与差し止めを求める住民訴訟とカジノの是非を決める住民投票条例署名運動、林市長リコール署名運動が展開され、林市政を大きく追いつめた。大川さんは、議会で住民投票条例は否決されたが、「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」を設立して山中竹春市長を誕生させ、IR誘致を撤回させたと報告。カジノは、ギャンブル依存症患者からの収入頼みで地域経済の起爆剤にはなり得ないことをアピールしようと訴えた。

 新里さんは、大阪では住民投票条例制定の動きと住民監査請求が連動したことを評価。申請された区域整備計画の認定は非公開の審査で行われるため、住民の声を伝える仕組みが必要と指摘した。長崎でも住民訴訟に発展する動きがあり、日本弁護士連合会としても会長声明の発信や院内集会など世論喚起を図る構えだ。

差し止め訴訟と一体で

 大阪市は、「土地所有者の責任」と口実を作り、約790億円の公金を投入してIRカジノ事業者のために埋め立てられた夢洲の地盤改良をするとしている。不当な公金支出に対して7月29日、住民投票条例案が府議会で否決されたその日、IRカジノ事業者に対する夢洲の貸与差し止め訴訟が大阪地裁に提起された。原告団の山田明さん(名古屋市立大学名誉教授)らは、10月18日大阪地裁大法廷で行われる第1回目口頭弁論への傍聴参加を呼びかけた。

 この法廷闘争をはじめ、9月30日には全国のカジノ誘致反対の運動を集める「東京大行動」が予定されている。全国から、IRカジノ誘致を白紙撤回させるための動きが広がっている。

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