2022年09月16日 1739号

【「国葬」反対署名40万超を共同提出/かつてない規模で広がる怒り 肌で感じる/政府は重みを受けとめ、実施を思いとどまれ/院内で共同記者会見】

 ネット署名サイト“Change.org”で安倍元首相の「国葬」に反対する署名を立ち上げた4団体・個人が9月5日、内閣府国葬事務局に3日正午までに集約した計40万4258筆を共同で提出した。

 4者は小澤俊夫さん(立ち上げは7/14)、自由法曹団(同8/1)、ZENKO=平和と民主主義をめざす全国交歓会(同8/2)、上野千鶴子東大名誉教授ら17人の呼びかけ人(同8/23、事務局―総がかり行動実行委員会)。提出に先立ち、衆院第2議員会館で共同記者会見を行った。

 ZENKOはネット署名に加え、紙の署名2314筆を集めた。共同代表の河辺友洋さんは語る。「街頭ではたくさんの反応を肌で感じる。老若男女、『税金を使うのはおかしい』『法的根拠がない』と署名する人が絶えない。100通を超える郵便物が全国津々浦々から届いた」

 そして、続けた。「岸田首相は安倍元首相銃撃事件を『民主主義への挑戦』と言った。しかし、8年間にわたり民主主義を破壊し続けてきたのは安倍政治に他ならない。貧富を拡大し、戦争を推進してきた行いが『功績』なのか。モリカケ桜など安倍政治の問題点を明らかにすること、旧統一教会との関係を断ち切ること、国葬のお金で医療・保健所の拡充や社会保障の充実など未来に生きる人への投資を行うことを求める」



国会正門前大行動に4000人

 安倍元首相の「国葬」に反対する大行動が8月31日、国会正門前で行われ、国会前に来たのは初めてという人たちを含む4000人が参加した。

 戦争をさせない1000人委員会の内田雅敏さんが主催者あいさつ。「安倍元首相は旧統一教会の単なる広告塔ではなかった。岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三―三代にわたって旧統一教会と深い関係にあったことが白日の下にさらされた」

 市民の発言では、「mネット・民法改正情報ネットワーク」の坂本洋子さんが「安倍氏は男女共同参画や教育行政を歪(ゆが)め、民法改正を阻み、性教育やジェンダー平等を攻撃してきた人物だ」と指摘。アジア女性資料センターの本山央子(ひさこ)さんは「たった一つの家族のあり方しか認めず、ジェンダーとセクシュアリティをコントロールしようとする政治を維持・再生産させてはならない」と述べた。

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