2022年09月23日 1740号

【1740号主張/辺野古新基地建設は否定された/岸田軍拡・改憲内閣を打倒しよう】

辺野古NOのデニー再選

 9月11日投開票された沖縄県知事選挙は、オール沖縄の玉城デニー知事が約34万票を獲得し、自公推薦の佐喜眞淳(さきまあつし)候補、下地幹郎(しもじみきお)前衆院議員に圧勝した。デニーさんは当選後「間違いなく今回は、辺野古の新基地建設が大きな争点だった。過去2回の知事選、県民投票7割以上の反対の声、そして、今回の私の再選。県民の思いが1ミリもぶれていないという結果だと受け止めている」と語った。

 玉城デニー勝利は岸田政権に痛打を与えた。

県民の強い怒り

 今回の知事選に向け自公政権は周到な準備を進めてきた。オール沖縄から経営者の多くを脱落させ、各市町村首長選で自公候補を当選させてきた。そのうえで参院選に続き自公候補は辺野古新基地建設容認を打ち出し、知事選に勝利して新基地埋め立てを強力に進めることをめざした。岸田政権は、ウクライナ戦争に乗じて軍拡を進め、特に対中国基地としての沖縄での軍事機能強化を進めている。その時何としても辺野古新基地建設を促進したいと、自公候補は明確に建設容認を掲げたのである。

 しかし沖縄県民にとってみれば、アジアにおける緊張激化政策とそのための沖縄軍事機能強化は、沖縄戦の再来を予測させるものだった。県民の命を犠牲にする政策への強い怒りが1ミリもぶれない′級ハを生み出しているのである。

 岸田政権は、沖縄振興予算を減らし、玉城県政では経済発展はないと主張した。これに対しデニーさんは「平和と暮らしは両輪」として基地返還こそ経済発展の基礎と訴えた。また、中学生までの医療費無償化など子どもの貧困対策を実行していることを訴えた。この点でも自公候補の支持獲得を許さなかった。

岸田内閣批判も拡大

 さらに岸田政権そのものの政策と路線が市民の批判を浴びていることが勝利を加速させた。内閣支持率は各調査で急落し、不支持が支持を上回っている。朝日新聞9月10〜11日調査では、前回と比べ支持率47%から41%、不支持率39%から47%となった。憲法違反の安倍国葬への強い批判、物価高に対する無対応、コロナ拡大―医療崩壊への無策が支持率の大幅低下をもたらした。自公候補は統一教会との強い癒着が批判された。

 沖縄県民は、自らの命とくらしを守るためにオール沖縄の玉城デニー候補に投票したのである。デニー知事は「辺野古新基地はあらゆる手段をとって止めていく」(9/12琉球新報)と決意を表明した。

 全国から沖縄連帯を強め、辺野古新基地建設を阻止し、沖縄・南西諸島(琉球弧)への自衛隊基地強化に反対しよう。軍拡、改憲に突き進み、生活破壊、医療崩壊をもたらす岸田内閣を打倒しよう。

 (9月12日)
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